2005年に開始した株式投資の累計利益は100億円を超え、SNSでは個人投資家として最多100万人のフォロワーを抱えるテスタさん。

 小5で「サラリーマンになるのは絶対に無理だ」と決意し、18歳で“高卒ニート”としてひとりぐらしを開始。カーテンも洗濯機もない部屋に住んで1日13時間のパチンコで生計を立てる時期を経て、株式のデイトレードに出会った最初の感想は「家から外に出る必要がないし、人に会わなくていい。これはいいな」だったという。

 昔からの友人に頼られると迷わずお金を貸す理由、お笑い芸人の個人事務所に入った目的、「テスタ」を卒業した後のことについて話を聞いた。

ADVERTISEMENT

テスタさん ©︎文藝春秋 撮影・細田忠

――テスタさんには「負けなければ自ずと勝ちになる」という名言がありますよね。負けないためにはロスカットが大事になると思いますが、苦手という人も少なくありません。ロスカットにおいて大事にしていることを聞かせてください。

テスタ ロスカットって心理的抵抗がすごくあると思うんですね。その瞬間にマイナスが確定する、つまり、自分の負けを認めるわけですから。

「損切りするまでマイナスじゃない」という謎の言葉も聞きますが(苦笑)、含み損の時点ですでに損をしているという考え方に変えるべき。そうじゃないとやっぱり切れないので、自分はそういうふうに考えています。

「ロスカットできずに塩漬けになってしまった」という話も聞きますが、10%下がろうが、20%下がろうが、50%下がろうがロスカットしないってことは、損を無限に受け入れていることでもある。一方、マイナス10%でロスカットするって決めていたら、10%しか損をしないわけです。

「自分の願望が入ったり、神頼みするようになったら、切ったほうがいい」

――でも、「これだけ下げたんだから、そろそろ上がるだろう」と思いがちです。

テスタ 僕のさくらインターネットと同じで、自分の願望が入ったり、神頼みするようになったら、切ったほうがいい。その時点で、最初の見立てが間違っているわけですから。

  もちろん、新NISAで投資信託に毎月積み立てていくような場合は、損切りする必要はありませんが、個別株に投資するんだったら、ロスカットは必須です。

©︎文藝春秋

――テスタさんは利確も損切りも機械的に? そこにはなんの感情もありませんか?

テスタ もちろんです。よくあるのが、ちょっと利益が出たものをどんどん利確して、損切りはできないからポートフォリオ(保有資産の構成・組み合わせ)がマイナスだけになってしまうこと。

――ありますね(笑)。

テスタ でも、自分のポートフォリオがマイナスだらけだったら、楽しくないじゃないですか。嫌な気分になりますよね。含み損の銘柄は切って、含み益の銘柄だけ残したほうが気分は圧倒的にいい。気持ちよくトレードするためにも、ロスカットはしっかりやったほうがいいと思います。