「昔からの友人が困って連絡してきたわけだから、僕は貸します。というか、あげます」
――関係性は少し変わったけど、新しい形で続いているということですか?
テスタ そうですね。「お金を貸してほしい」と頼まれたことも何度かありましたけど、昔からの友人が困って連絡してきたわけだから、僕は貸します。というか、あげます。それで嫌な気持ちになんてならないし、むしろ、助けてあげられることに喜びを感じるんで。そんなときは、「株で勝てていてよかったな」って思います。
――「知り合いにお金を貸すのはトラブルの元」という人も多いですが、テスタさんはそうは思わない、と。
テスタ もちろん、お金の貸し借りを機に向こうがよそよそしくなったり、返信が敬語に変わったりすることもありました。僕がいくら「気にしなくていいよ」と言っても、気にしますよね。でも、それはまあ仕方のないことなので、僕自身はまったく気にならないです。
――児童養護施設に寄付をされていますが、「株で勝った」という実績が、新しい仕事や人助けなど別の形でご自身の人生に影響を与えているわけですね。
テスタ 僕は子どもが大好きですし、僕自身、学童保育に通っていたので恩返しじゃないですけど、何か貢献できないかなと思って始めました。
学童保育は全国に3万か所くらいあるので難しかったんですけど、児童養護施設は600か所くらい。リクエストを聞いて、サッカーボールやドッジボールなどを贈っていますが、そうしたことができるのも株で勝てているからこそ。子どもたちが喜んでくれるのが嬉しいですね。
「どこかで『テスタ』からは卒業するでしょうね」
――投資を辞めたあとの人生を想像することはありますか?
テスタ なんとなくありますよ。2か月連続して負け越すとか、勝てなくなったら、どれだけ楽しくてもズルズルやらないで、スパッとやめようと思っているので。
例えば、ギャンブルって、トータルで負けているのに楽しい、みたいなところがあるじゃないですか。競馬にしても、パチンコにしても。でも、僕にとって株は仕事なので、それはやってはいけないと思っています。
なので、どこかで「テスタ」からは卒業するでしょうね。そうしたら、メディア出演とかとはまた違う、新しいことを求める気がするんですよね。昆虫を探しに行ったりとか。
――昆虫ですか!?
テスタ 新種ってあるじゃないですか。あれって1年間で実は2万種くらい発見されているらしいんです。
この世界には知らない生物がまだまだたくさんいるから、1匹くらい新種を見つけてみたいなって。あと、秘境とか、旅して回るのもいいかもしれません(笑)。
――ご結婚のほうはいかがですか? あまり興味がないそうですが。
テスタ ひとり暮らしがあまりに長いので、誰かと一緒に暮らすことが想像できないんですよね。それに、環境が変わったら、株で勝てなくなるんじゃないか、っていう恐怖心もあります。
でも、僕は子どもが好きだし、育ててみたいとも思うから、そこも覚悟というか。株で勝てなくなったとしても家庭を持ちたいと思ったら、結婚するかもしれないし、家庭を持っても株で負けないかもしれないし。
大事なのは、楽しく暮らすこと。株をやり続けても楽しいでしょうし、結婚して子どもができても楽しいでしょうから、流れに身を任せようと思います(笑)。

