2005年に開始した株式投資の累計利益は100億円を超え、SNSでは個人投資家として最多100万人のフォロワーを抱えるテスタさん。

 小5で「サラリーマンになるのは絶対に無理だ」と決意し、18歳で“高卒ニート”としてひとりぐらしを開始。カーテンも洗濯機もない部屋に住んで1日13時間のパチンコで生計を立てる時期を経て、株式のデイトレードに出会った最初の感想は「家から外に出る必要がないし、人に会わなくていい。これはいいな」だったという。

 両親が公務員の家庭で感じた劣等感、毎朝襲われていた謎の吐き気が収まった経験、そして上京以来初めて“家賃を下げた”理由について話を聞いた。

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テスタさん ©︎文藝春秋 撮影・細田忠

――最近、引っ越しをされたそうですね。2015年に地元の兵庫から上京してきたときの家賃が月80万円で、そこから100万、160万、260万、400万と、「自分を追い込むために部屋のグレードを上げてきた」と公言されていますが、今度の家賃はおいくらなんですか?

テスタ いや、今、140万なんです。3分の1くらいに下げました。これまで危機感を持つために家賃を上げてきたんですけど、今の資産規模だと400万が500万になったところで、そんなに変わらない気がしたので。

  それに400万円の家は7部屋とかあったんですけど、半分くらい使っていませんでしたし、携帯やカギをどの部屋に置いたか分からなくなることもあって。お風呂が3つ、トイレは4つあったんですけど、そんなに使わないですしね(苦笑)。

「家賃が下がって気が緩むのか、緩まないのか」

――家賃をもっと上げて、部屋数がさらに増えても不便なだけですね。

テスタ そうなんですよ。ちょっと広くなりすぎたなって。それで暮らしやすい3LDKの部屋に引っ越しました。

  家賃を下げてみて、自分にどんな変化が生まれるのか。家賃が下がって気が緩むのか、緩まないのか。部屋のグレードがダウンして嫌だなって感じるのかどうか。新しい経験としてやってみたくて。

  そのときに一瞬考えたのは、思い切って家賃15万くらいまで下げてみたらどうなるのかなって。でも、今持っている家具が入り切らないだろうし、「テスタ、破産したんじゃないか」って疑われるのも嫌なので、やめました(笑)。

©︎文藝春秋

――実際、どんな変化がありました?

テスタ やっぱり、気持ちが楽になりましたね。だから、株で結果を出し続けるためには、良くないなって感じてもいます。自分を追い込み、プレッシャーをかけていないと勝ち続けられないんで、このままじゃ危ないなって。もしかすると、次はまた高いところに引っ越すかもしれないです。