日本一人口の少ない村、東京都の青ヶ島村在住のYouTuber・佐々木加絵さん(41)が島暮らしを発信する連載企画。今回は「年末年始」をテーマに、人口156人(2025年12月1日時点)の小さな離島ならではの過ごし方を紹介する。

 東京都心から約360km離れ、交通手段が限られていることから「絶海の孤島」と呼ばれる青ヶ島。そんな島での年末年始はどのようなものなのだろうか。

「あおちゅう」づくりを手伝う佐々木加絵さん(写真提供=佐々木加絵さん)

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「島には小さな居酒屋が1軒しかない」青ヶ島の忘年会事情

 青ヶ島のクリスマスは本土とは一風変わっている。「青ヶ島にはイルミネーションもありませんし、ディナーを楽しむようなホテルもレストランもありません」と佐々木さん。

 そのため、友人宅に集まって八丈島から取り寄せたケーキと豪華なおつまみを囲んでクリスマス会を楽しむという。島の小中学校ではクリスマスライブも行われ、2023年からコロナ禍で中止されていた恒例行事が復活した。

 年末になると忘年会が開かれる。島には小さな居酒屋が1軒しかないため、大人数の場合は民宿の食堂を借りて開催することもあるという。

「飼っている鶏を絞めて…」青ヶ島のディープな年末年始

 忘年会では島寿司などの郷土料理が並ぶほか、「飼っている鶏を絞めて、年末年始に食べる習慣もあります。若鶏ではなく卵を産まなくなった親鶏を使うので肉は固いのですが、旨味があってとても美味しいんですよ」と佐々木さんは話す。

「鶏を絞めるのは誰でもOK。私は苦手なのでやったことはないのですが、移住者で挑戦した人が何人もいますよ」とのことだ。

青ヶ島の郷土料理「鶏鍋」(写真=佐々木加絵さんのXより引用)

年末年始には、島のお酒「あおちゅう」づくりを手伝う

 年が明けると、初日の出は「尾山展望公園」が定番スポット。島で一番高い場所とほぼ同じ高さから見下ろす海から昇る太陽は絶景だという。初詣は大里神社か御富士様に参拝するが、島には神主さんやお坊さんがいないため、本土のような年明け前から並ぶ光景はない。

 青ヶ島ならではの年末年始の楽しみ方として、島のお酒「あおちゅう」づくりのお手伝いがある。10月頃から年明けにかけて、島の人たちが10人の杜氏の作業を手伝い、完成したら新酒をプレゼントされるという。

 年末年始は12月28日から1月4日まで連絡船が運休するため、島から人が減り、いつもより静かな時間が流れる。「昼から家族や友達とお酒を飲んで、まったり過ごしていることが多いです」と佐々木さんは話す。

絶海の孤島・青ヶ島
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