久米 出演者たちにリアリティがあっていい。彼らはテレビ映りよりも、どれだけ電話がかかってきて、どれだけ商品が売れるかが大事。

 西川 カメラの前なのに、自意識がすっ飛んでるということですね。

 久米 そう。売るために「脱げ」と言ったら脱いでしまうかもしれない(笑)。それが新鮮なんですよ。ワイドショーの司会の人たちと比べても、しゃべり口が純真でナチュラル。つい惹き込まれてしまいます。

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久米宏が「話を聞いてみたい政治家」は?

 西川 『ニュースステーション』では、わりと政治家の方も呼んでいたじゃないですか。

 久米 僕が彼らに話を聞くのが好きだったんです。

 西川 本題でないところに、軽やかに切り込まれていましたよね。

 久米 だって政治の話をしても、答えは分かりきってますから。

久米宏さんは月に8〜10本の映画を見ていた ©文藝春秋

 西川 用意していないであろう質問の受け答えを見ると、「あ、こういう人だったんだ」と分かって、子どもでも関心を持つようになりますよね。でも最近は、政治家の素(す)を引き出して見せるようなニュース司会者は減ったでしょうね。

 久米 政治家を呼んで無駄話をするのが怖いんだと思いますよ。時間も決まっているし、すぐに本題に入ってしまう。でも、政治課題より、「その服、高そうですね」とか聞いてみたらいいんですよ。

 西川 その方が、政治家の人間性の表れた答えが引き出せますよね。でも、意表を突く質問をして、後から怒られたことはないんですか?

 久米 ないです。日常会話ってそういうものですから。たとえば、国会で多忙な時期や選挙期間中なら、政治家の表情を見て「眠そうですね」と声を掛けるのは、自然な会話です。聞かない方がおかしい。

 西川 いま、話を聞いてみたい政治家は誰かいますか。

 久米 共産党初の女性委員長になった田村智子さんですね。会見を見ていると、ゴリゴリに型にはまった受け答えしかしていないから、つまらない。だから、その「つまらない答え」を生で聞いてみたい。

 西川 生のカメラの前でそれが暴かれていくのは怖いでしょうね。

この続きでは、久米宏さんが経験した本番中のトラブルが明かされています〉

※本記事の全文(約9000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(久米宏×西川美和「たかがテレビじゃないか」)。全文では下記の内容をご覧いただけます。
・読売グループとの手打ち
・黒柳さんに「あなたお喋りね」
・ミニシアターが減っていく

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