今回の調査は不動産識別情報における購入者の住所が海外かどうかだけをチェックしたものにすぎない。日本国内に設立したペーパーカンパニーで買う、日本人名義を借りる、そして在留外国人による購入などが考えられるからだ。
日本ではいまだに移民を認めないとしているが、在留する外国人数は年々増加し続け、出入国在留管理庁の発表によれば2025年6月末現在、在留外国人の数は395万人。その数は横浜市(376万人)よりも多いのだ。彼らは日本で働き、多くの場合きちんと納税をしている人たちだ。このうち中国人は90万人。しかもそのうちの35万人は永住の資格を持つ。
彼らは子弟の教育には熱心。東京文京区はとりわけ中国人の人気エリアだ。東京大学、お茶の水女子大学、東京科学大学(東京工業大学と東京医科歯科大学が統合)など名門大学に進学させるために彼らは居住地から選択して高額マンションを購入することを厭わない。
三菱UFJ信託銀行の調査では新築マンション購入の2割から4割が外国人というデータもあるが実態はこちらの数値が近いように思われる。ではこうした日本人と同じように生活している在留外国人の購入を規制するのか、対策には知恵が求められるのである。
(2)転売 取得後1年以内に転売するケースが…
国土交通省調査でもうひとつクローズアップされたのが取得後1年以内に転売する者が国内外を問わずかなり多数存在することがあきらかになったことだ。すでに業界では、不動産売買契約締結後、物件引き渡しまでの期間に転売する行為については、売主が摘発し、契約時に収受する手付金(通常は物件価格の10%程度)を没収するルールを新たに設定するなどの対応措置が施されるようになっている。だが引き渡し後の転売について規制をしているわけではないので効果は限定的だろう。
いっぽうで国民民主党は転売を目的としたマンション所有者が空室のまま物件を放置することを防ぐ目的で税を課す空室税の導入や、取得後2年未満に転売する際の不動産譲渡について重課する制度(超短期不動産譲渡税)の創設などを唱えている。超短期不動産譲渡課税は1987年に当時の大蔵省が導入した先例がある。当時は個人の場合、30%の重課税が行われたために譲渡益のほとんどが税金で取り上げられることから相応の効果があったことが確認されている。前例があるだけに財務省も飛びつきやすい内容だろう。
業界の対応はあくまでも引き渡し前の転売に関する規制だが、仮に国民民主党の案が採用されると転売目的でキャピタルゲインを得ようとする転売ヤーの行動はかなりの制約を受ける可能性がある。業界側からみれば自主規制レベルに留めたいのが本音だろうが、さてどうなるか。
