鈴木 そうです。シジュウカラの場合は、ヘビを示す「ジャージャー」という鳴き声を持っていて、その声を聞くと、巣箱の中の雛まで巣箱を飛び出して逃げます。侵入されたら皆丸呑みにされるので、「ジャージャー」と聞いたら本能的に巣を脱出する。シジュウカラを食べるのはアオダイショウで毒はないのですが、それでも巣穴に侵入してくる特別な天敵なんですよ。

鈴木氏 Ⓒ文藝春秋

 有働 なるほど。

人間が生来知っているもの

 鈴木 人間にも、生まれつきヘビの認識があるかもしれないことを示唆する研究があります。赤ちゃんにいろんな生物の写真を見せていくと、初めて見たにもかかわらず、ヘビに対しては瞳孔が広がってストレスを感じるし、それを学習するのも早いんですよ。頭の中に何のテンプレートもなければ、どの写真も同じように認識するはずですよね?

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 有働 はい。

 鈴木 ところが生まれつき頭の中で特定のものの形は知っているようで、一つがヘビで、もう一つは顔。

 有働 えっ、顔ですか?

正直、虫と爬虫類はずっと苦手な有働氏 Ⓒ文藝春秋

 鈴木 僕ら人間は、顔の違いで個人を覚えるでしょう。さらに、表情を見て相手の気持ちを察するということをする。だから、生まれた時から顔に注意が行くようになっていて。たとえば、生まれたばかりの新生児に色々な図形を見せていくと、上に2点、その下に1点が並んだものに対しては、特別な反応をするんです。上が1点、下が2点だとそうはならない。大人でも顔にみえる図形ってたくさんありますよね。シミュラクラ現象といいますが、あれは生まれつきと考えられています。

 有働 ヘビへの警戒心が生まれつきであれば、多様な生物を触れない自分を反省しなくてもいいのかな。

 鈴木 そうそう。逆に僕は、生まれつき生き物全般が好きでした。この間実家でアルバムをめくったら、1歳5カ月の時、すでにベビーカーに虫捕り網が差さってて。父が作ってくれたんです……やっと話が戻ってきた(笑)。

※本記事の全文(約8000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年2月号に掲載されています(鈴木俊貴×有働由美子「シジュウカラのようにゾウやチンパンジーにも言葉があるのかもしれない」)。全文では、以下の内容をお読みいただけます。
・「オオカミ少年」な鳥
・「図鑑を書き換えたらいい」
・予期せぬ行動は「発見」

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出典元

文藝春秋

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