店に迷惑行為繰り返し、注意され逆恨み
実際に裁判で、検察側が犯行経緯について明らかにしている。
今回の店舗は2022年2月ごろに越前谷被告の近所にオープン。このころから、店舗の駐車場でほかの客に声をかけて小銭をせびってはタバコなどを購入するという迷惑行為を繰り返していたという。店の従業員らはその行為を確認すると、敷地から出ていくように注意していた。
犯行前日、越前谷被告が店を訪れると、ある女性従業員に敷地から出て行くように注意される。越前谷被告は以前からこの女性従業員の態度に不満を持っていたことから、仕返しをしようとした。そして、この女性従業員を店の経営者だと思い込み、万引きによって店に経済的影響を与えようと考え、犯行に及んだのだ。
越前谷被告は、続く被告人質問で「物を盗めば赤字になると思った」と話したうえで、「万引き以外の方法は思いつかなかった」と述べている。
また今回は、4年前に起こした窃盗事件の執行猶予中での犯行だったことも裁判で明らかになった。
職を転々…初めてのタトゥーは20歳前に
越前谷被告は、秋田県で両親のもと、4人兄妹の長男として生まれた。
小学校から中学3年の夏までは東京で過ごし、その後、秋田に戻り高校に通ったが、タバコを吸うなどして停学、自主退学となった。その後は、美容の専門学校に2年半通い卒業。
美容室に勤めたほか、以降は居酒屋やダムの建設工事、物流の仕事など職を転々として生活し、2度の結婚と離婚を経験。
そしてタトゥーは、20歳になる前に体に入れ、先述の拘置所での取材で明らかになったように、顔に入れたのは30歳ごろになった時だったという。
犯行前の連日にわたる咳止め薬乱用
越前谷被告は26歳の時に、幻覚や不眠症に悩み、生活保護を受けるようになる。収入があり、生活保護を受けていない時期もあったが、再び受けるようになった。
そして精神的に不安定な生活の中、咳止め用の市販薬を何年かおきに乱用していた。越前谷被告は、15歳の時に他人に勧められたことをきっかけに飲み始める。さらに、「飲むと多幸感を感じていた。切れるとイライラし、攻撃的になっていた」と述べた。