女子高校生が44日間にわたる監禁と凄惨な暴行の末、コンクリート詰めにされて遺棄された――史上最悪の少年犯罪と呼ばれる「綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件」。​​

 元「ニュースステーション」ディレクター・山﨑裕侍氏は、服役を終えた元少年Cの行方を追い続け、9回にも及ぶ張り込みの末、ついにCと対面した。その様子を記した著書『償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』から一部を紹介する。

遺棄現場周辺の魚籃観音 ©文藝春秋

「事件を思い出すことは?」「していますよ、いつも」

 Cの自宅は事件後両親が売り払い、その後彼は埼玉県の築20年ほどのアパートに住んでいることがわかった。山﨑氏は9回にわたる張り込み取材を敢行。車内での張り込みは「暑さ」「眠気」「トイレ」との闘いだった。

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「朝6時前に自宅を出て日中張り込み。夕方にはテレビ朝日に戻り、放送業務に携わり、午前1時ごろに帰宅して布団にもぐり込む日々」と山﨑氏は当時の様子を振り返る。周囲からの白い目も感じながらの取材だった。

 9回目の張り込みでついに山﨑氏はCに声をかける機会を得た。Cは警戒しながらも質問に応じた。「事件を思い出すことは?」との問いには「していますよ、いつも」と答えた。

 刑務所での日々について尋ねると、Cは意外にも饒舌に語り出した。「刑務所では刑務作業ばかりで反省する機会がない」という世間の見方に対し、「それは本人次第じゃないか。ちゃんとやろうと思えばできる」と返した。そして「少年院みたいに『君の問題点はこうで、何々を更生しろ』と言われて、いざポンと社会に出るより、何も言われないなかで自分で考えてやるという、そっちのほうが本当に身につきますよ」とCは持論を展開した。

 東京高裁は判決で、Cが「本件を反省し、原判決後も弁護人の熱心な指導等により、内省を深め、勉学、読書、短歌などを通じて自省の日を送り、成長の跡が相当に窺える」としつつも、「保護処分が相当であるとは到底認められず」として一審よりも重い懲役5年以上9年以下の不定期刑を言い渡していた。

 Cは、被害者X子さんの顔が腫れ上がり変形するまで殴り、「でけえ顔になった」と笑ったとされている。死に至る最後の暴行では、鉄球で殴打し、顔面を回し蹴りにするなど、中心的な役割を担った。そのCは、「被害者に対して申し訳ないという気持ちか?」という質問に対し、言葉を濁した。刑期を終え、社会に戻ったCの生活は決して安定したものではなく、被害者遺族との接触もないまま、自分の人生の再建に精一杯の様子だった。

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