映画を撮ってみようと思えたワケ
なぜもう一度考えたかというと、日頃から、いくら納得のいく脚本を書けても形にならなければ日の目を浴びることはないという現実に半ば絶望していたからです。
形にしたら、誰かしらには観てもらえる。
それは細々と創作を続ける自分にとって、とても希望的なことに思えました。
以上が、私が映画監督をするに至った経緯です。
その後のこと……脚本が想像以上の形になる喜びや、演出の複雑さと面白さ、映画における色彩表現に魅了されていく過程、などについては、まだうまく表現する自信がないので割愛します。
自分が映画監督として胸を張ることができるようになったとき、またお話しできたら嬉しいです。
たなか・みき 1993年生まれ、東京出身。 中央大学文学部で近現代文学を学び、小説の執筆を始める。2024年、ENBUゼミナール監督コース在学中に中編映画『ジンジャー・ボーイ』を制作。第78回カンヌ国際映画祭ラ・シネフ部門で3位を受賞する。第21回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門焦点監督に選出され、3作品を上映。【影響を受けた作品・監督、好きな作品・監督】『セッション』デイミアン・チャゼル、『オールド・ジョイ』ケリー・ライカート。
『ブルー・アンバー』
映画監督を目指すカメラマンの木崎翔也は、これまで一度も人を好きになった経験がなく、常にどこか孤独を感じていた。それでも明るく社交的な翔也は、一見社会に順応できているようにみえる。そんななか、仕事場で知り合った歌手の歌音やカメラアシスタントの守谷からの想いに応えられなかったことで「人を好きになれない」自分がどこかおかしいのではないかと悩むようになる。翔也はいつからか、自分が自分らしくいられる楽園「ブルー・アンバー」に想いを馳せるようになるのであった。
監督:田中未来/出演:栗原颯人、林裕太、羽音、續木淳平/2025年/日本/34分/配給:SPOTTED PRODUCTIONS/第21回大阪アジアン映画祭芳泉短編賞スペシャル・メンション受賞/「MOOSIC LAB2026」にて2/21、2/26に上映(アップリンク吉祥寺)。また『ブルー・アンバー』を含む「田中未来監督短編集MANIAC」の上映も予定されている。
