「どうやって映画監督になったのか?」「映画の魅力とは?」
最近話題作を放った監督に尋ねる人気連載「期待の監督」。注目作『ブルー・アンバー』の上映を控える田中未来監督に話を聞いた。
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「自分で映画を撮ってみたら?」と言われて…
映画を撮ることになった経緯は、成り行きとしか言いようがありません。
もともと小説家になりたく、しかし一向に芽が出ず、その延長で脚本を書き始めたのがそもそものきっかけだと思います。
映画の脚本は、主に「柱」「セリフ」「ト書き」から構成されます。
小説のように心理描写や風景描写を細かく入れる必要がなかったので、シンプルで書きやすく、アイデアを素早く形にして量産できるところに惹かれました。
私は脚本学校に通い、狂ったように脚本を書き続けました。
ある日講師に、「それだけ脚本を書いているなら、一度自分で映画を撮ってみたら良い」と言われました。
その発想はなかった、と思いました。
自分にそんなことが務まるとは思えなかった
私はストーリーを考えて形にする行為は好きだったけれど、映像として表現することにはあまり興味がありませんでした。
理由はただ一つ、すごく大変そうだったからです。
映画を撮るためには役者、カメラマン、照明、録音、スタッフとさまざまな人に協力してもらう必要がある、ということは素人ながらに理解していました。
さらに自分が監督をするとなれば、その大勢の人たちを束ねないといけません。
内向的な自分にそんなことが務まるとは思えませんでした。
だから自分で撮ってみたら良いと言われた時は、「はあ、そうですね」と生返事をしてその場を凌ぎました。しかし家に帰ってから、そのことについてもう一度じっくり考えてみたのです。
