世界で最も稼ぐ映画監督スティーヴン・スピルバーグと、トップ俳優トム・クルーズがタッグを組んだ2002年のSF映画『マイノリティ・リポート』。

 父と息子の絆や迫りくる危機を描く複雑なストーリーを、両者の才能が結集して演出。革新的な映像表現とクルーズの新境地を見せたこの作品はどんな評価を集めたのか? アカデミー賞ウォッチャーのメラニーさんの新刊『トム・クルーズの真髄 40年間トップに立ち続ける理由』(星海社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

スティーヴン・スピルバーグとトム・クルーズ ©getty

◆◆◆

ADVERTISEMENT

スピルバーグとの運命の出会い

 その40歳の年、トム・クルーズは満を持して、スティーヴン・スピルバーグとタッグを組む。

 スピルバーグは、言ってみれば監督界のトム・クルーズのような存在で、2002年の時点では、まぎれもなく世界で一番稼げる大スター監督のひとりだった。

 スピルバーグとクルーズは、沢山の共通点がある。スピルバーグもまた、デビュー3作目には弱冠29歳で既にオスカー作品賞候補『ジョーズ』を作り、30代には押しも押されもせぬドル箱監督となっていた。

 40歳で初のドラマ作品『カラーパープル』を撮るも業界内外からバッシングされ、観衆からの羨望と、批評家からの冷遇を共に受けながら、本来の才能を伸ばし続けて天下を取った存在である。

 クルーズに負けない好奇心とビジネスセンスの持ち主で、彼はSF界の寵児に始まり、冒険ファンタジーの名作を作り、白黒のホロコースト作品でアカデミー賞を獲った。目まぐるしく進化するテクノロジーを余すことなく使いこなし、他の誰も撮ったことのない映像を具現化し、ストーリーを創り出した。

 次に何をするのか目が離せない、ワクワク感と期待を観客に与え続けるスピルバーグの存在は、現在のクルーズと大変に近いものがある。