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スピルバーグとクルーズは、80年代前半から既に友好関係を築いていたらしく、長年にわたり一緒に出来るプロジェクトを探していたという。二人はそのプロジェクトとして、近未来に起こる犯罪を未然に防ぐ機関の優秀なオフィサーが、次の犯人として予言された自分を守るために逃げ惑う複雑な話『マイノリティ・リポート』を選んだ。
記者会見でスピルバーグはクルーズについて「最も過小評価されている自然体の俳優」と評した。スピルバーグは80年代から、クルーズの俳優としての才能に注目し続けていたのだ。
世界一同士が組んだ「SF映画」の評価は…
世界一の監督が世界一の俳優と組んだ作品は、それまでに見た事もない、画期的な映像満載の、スリラーともSFともドラマとも呼べる盛沢山な傑作となった。アメリカの有名な映画評論家ロジャー・エバートはこの作品を、2002年の最高作品に掲げた。
迫りくる危機から逃げる主人公の構図は、スピルバーグの大得意分野である。また、父と息子の関係を描いたドラマの部分も、スピルバーグ作品に一貫して登場する重要な要素で、スピルバーグの真骨頂をひとりで背負う複雑な役柄を、トム・クルーズは見事に演じきった。
キッドマンとの離婚が見え隠れする頃に作った作品だが、ここまでにクルーズが父親になっていたことは、息子を必死に捜す父親役を演じるのに役立った。麻薬中毒の捜査官という陰のあるヒーローはクルーズにとって初めて挑戦する役柄だった。
