日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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金融庁再編の「特筆すべき点」
金融庁は今夏、大規模な組織再編を行う。現在の総合政策局、監督局、企画市場局の三局体制のうち、総合政策、監督両局の機能を再編し「資産運用・保険監督局」「銀行・証券監督局」「官房部局」を新設。既存の企画市場局を含めた事実上の四局体制に生まれ変わる。大規模な機構改革は2018年の総合政策、企画市場両局設置以来だ。
再編を主導したのは、昨夏に就任した伊藤豊長官(平成元年、旧大蔵省)。経歴を語る上で欠かせないのは、財務省秘書課長時代に森友学園問題の内部調査と処分などの対処を、官房長だった矢野康治元財務次官(昭和60年、同)と取り仕切ったこと。将来の次官の目もあると見られたが、宇波弘貴主計局長ら同期との出世レースに早々と見切りを付け、金融庁に転じた。
今回の再編で特筆すべきは不良債権処理に端を発した同庁の「検査・監督重視」の流れを「資産運用重視」へ本格転換させようとする点だ。「庁内に影響力を保つ森信親元長官(昭和55年、同)が主導してきた『政策官庁』への脱皮が完成した」と同庁幹部は説明する。低成長の流れにはまり込んだ日本経済にとって、2000兆円を超える個人金融資産の市場への循環はブルーオーシャンだ。財務省内の抵抗を向こうに回し、安倍晋三政権の大立者だった麻生太郎、菅義偉両氏の威光でNISAの普及を推し進めたのは森氏。だが、金融機関のコントロールに偏りがちな庁内の機構を完全に転換するまでには至らなかった。
「資産運用立国」の必要性を片山財務・金融相に説き続けた伊藤氏はいまや厚い信任を寄せられている。機構改革で局や課の増設は認められないのが霞が関の不文律だったが、片山氏のてこ入れも奏功し、各省の官房長に当たる「次長」が新設され、他省庁の「審議官」級が金融庁では一段低い「参事官」と呼ばれる不可解な運用も解消された。〈続きでは、伊藤氏が起用した人材などについて触れられています〉
※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年3月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。
出典元
【文藝春秋 目次】芥川賞発表 受賞作二作全文掲載 鳥山まこと「時の家」 畠山丑雄「叫び」/忖度なき提言 高市首相の経済政策/緊急座談会 暴君トランプの新帝国主義
2026年3月号
2026年2月10日 発売
1650円(税込)

