「鈴ノ木版竜馬」の魅力
鈴ノ木 坂本龍馬の手紙を読むと、必ずしも熱血漢ではないという印象があります。乙女姉さんにわりとサラッとした文章の手紙を書いています。淡白なところ、ええかっこしいなところ、いろんな顔が手紙に表れています。わりと手紙が残っているせいもありますけど。
山崎 筆まめなんですよね。
鈴ノ木 ただ小説や漫画の主人公は、サラッとした性格が前面に出ると物語が進まなくなって困ります。歴史ものは基本的にロマンですから、脚色はあるものです。坂本龍馬に会った人はもう生きていませんから想像で補うしかないですね。
山崎 小説や漫画の竜馬も単純な熱血漢じゃなくて、計算高い面もありますよね。
鈴ノ木 確かに、すごくしたたか。他人に対する洞察力も深い。そこが竜馬の人間力ですからね。頭はものすごくいいわけですから、したたかさも含めて僕は好きです。
山崎 ピュアなのに、計算高くもある。この矛盾こそが鈴ノ木版竜馬の人間臭さであり、魅力なんですね。
── 最新の15巻では、脱藩後の竜馬が京都にいます。新選組も登場していますね。
鈴ノ木 僕は新選組も好きなので、これから竜馬との絡みをどう描いていこうかとワクワクしながら進めています。『お~い竜馬!』の小山ゆう先生は沖田総司と絡めていったんですけど、司馬先生の『竜馬がゆく』では、千葉道場の門下生で竜馬と縁がある藤堂平助と絡めています。そういったつながりの部分を描いていくのが楽しみです。
山崎 幕末に活躍した人たちは、調べていくうちに「実はつながっていた!」と発見することがありますね。点と点がつながって線になるような。今後の展開がすごく楽しみです。
鈴ノ木 今日は山崎さんのような深く読んでくださる方とお話ができてうれしかったです。明日からまた頑張れそうな気がします。
