ドラマ「ばけばけ」の舞台となった島根・松江市。ドラマでは文豪・小泉八雲をモデルとした「ヘブン」が、吉沢亮さん演じる「錦織友一」と固い絆で結ばれている様子を描いている。
史実でも小泉八雲が信頼を寄せた教師・西田千太郎の存在が脚光を浴びている。そうした中、西田千太郎がかつて暮らした建物は住宅は老朽化が進み、屋根の修繕だけで300万円が必要だとされている。こうした中、160年の歴史を刻み八雲と西田の思い出の場所でもある建物を何とか維持しようと、松江市のNPOがその修繕費用をクラウドファンディングで調達しようと奮闘している。

クラウドファンディングで修繕呼びかけるチラシ

八雲が何度も足を運んだ“特別な場所”

小泉八雲の親友・西田千太郎の旧居(松江市雑賀町)

松江市新雑賀町に今も残る西田千太郎の旧居は、明治2(1869)年に建てられた約160年前の建物である。小泉八雲は松江時代、この住宅を30回も訪れたとされ、当時の交流を記した貴重な資料も見つかっている。

旧制松江中学の教員だった西田千太郎

西田千太郎は旧制松江中学の教員で、小泉八雲が深く信頼を寄せた人物だった。最近では八雲の妻・セツをモデルにしたドラマで、俳優の吉沢亮が演じる中学教師のモデルとしても話題となった。

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深刻な老朽化、修繕急務の状況

雨どいなど老朽化

現在の建物は、屋根や雨どいの痛みが激しく、160年という長い年月を経て、建物全体の老朽化が深刻化。活用を続けるには修繕が不可欠な状態になっている。

建物全体の老朽化が目立つ

修繕には、全体で約1500万円という大きな費用がかかる見込みだ。今回のクラウドファンディングでは、まず緊急性の高い屋根の修繕費として300万円を目標に設定。関係者が3月5日に松江市役所で協力を呼びかけた。

NPO「まちなかプラン」の取り組み

支援を呼び掛けるNPO「まちなかプラン」

寄付を募っているのは松江市のNPO「まちなかプラン」で、西田千太郎の旧居の保全などに継続的に取り組んでいる。

活動に取り組む宮澤文雄さん

島根大学准教授で、「まちなかプラン」のメンバーとしても活動する宮澤文雄さんは「西田千太郎という人物の理解を通して、自分たちも町の魅力を再発見してもらえたらと思っています」と語り、単なる建物保存を超えた地域の魅力発信への思いを語った。