日常でやりがちな“危険行為”

 日常でやりがちな「枕元での充電」も危険です。就寝中にモバイルバッテリーに布団がかぶってしまうと、放熱ができずに異常加熱や発火の原因になり、発見の遅れで大事故になりかねません。就寝時のスマートフォンの充電には、できるだけUSB ACアダプタを使い、布団の中ではなくサイドテーブルなどで充電するようにしてください。

適切な処分方法は?

 自治体のゴミ回収車や処理場での火災事故が多発しています。リチウムイオン電池を「普通ゴミ」として捨てることは、絶対にしてはいけません。モバイルバッテリーのほか、小型家電に組み込まれた電池は分別が忘れられがちで、ハンディファンや電動シェーバーなどがそのまま捨てられてしまうケースが後を絶ちません。

ゴミ回収車や処理場で圧縮・粉砕された際、電池が損傷して発火し、周囲のゴミに引火して大火災になる(出典:「NITE」YouTubeチャンネルより)

 NITE(ナイト:製品評価技術基盤機構)は、インターネット等から収集した情報から、ごみに混入したリチウムイオン電池の発火などによる被害額は、2018年度から2021年度で約111億円にも達すると発表しました。2019年には福井県の清掃センターで大規模火災が起き、再稼働までに10か月、被害額は約5億円に。ちなみに、こうした自治体が運営する施設の復旧費用は、主に住民の税金(地方税)から賄われます。

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 自分たちの負担を増やさないためにも、そして現場で働く方々の安全のためにも、電池内蔵製品は必ず適切な方法で廃棄してください。 

安全かつ確実に廃棄するためには…

 スマホを充電できなくなったモバイルバッテリーや、稼働時間が短くなったコードレス掃除機、使わないハンディファンなど、捨てるに捨てられないリチウムイオン電池を内蔵した製品が、家にいくつもあるのではないでしょうか?

 自治体によっては回収日を設けているところもありますが、場合によっては役所や処理センターまで持参しなければならないなど、廃棄に関しては自治体によってかなり違いがあるようです。

 筆者が最もオススメするのは、家電量販店などに設置されている「小型充電式電池リサイクルBOX」の利用です。ビックカメラ、ケーズデンキ、ノジマ、ヤマダデンキ、エディオンなどの大手量販店やホームセンターの入口、レジ横に設置されている「黄色のボックス」です。

「小型充電式電池リサイクルBOX」なら手軽に廃棄できる。ただし、破損・膨張している機器は投入禁止(一般社団法人JBRC「小型充電式電池安全回収のガイドブック」より)

 このボックスは、JBRCという団体が運営しており、会員企業(国内の主要メーカーや代理店)の製品であれば回収可能です。量販店で購入したものであれば、ほぼ対象となります。設置場所はJBRCのホームページから検索できます。

JBRCホームページで、都道府県・市区町村から設置場所を検索できる

 廃棄の際は、以下の4点を行ってください。

・残量を使い切る(異常がある場合は除く)
・金属端子部をガムテープなどで絶縁する
・種類ごとに分別する(Li-ion、Ni-Cdなどのマークを確認)
・破損・膨張がないか確認する(損傷があるものは投入せず、店員や自治体へ個別に相談する)

処分の際には種類ごとの分別が重要。「Li-ion」はリチウムイオン電池、「Ni-Cd」はニッカド電池、「Ni-MH」はニッケル水素電池。「Pb」は鉛蓄電池を示す(JBRCホームページより)

 リチウムイオン電池は、軽量かつ大容量、パワーもあるので非常に便利です。しかし使い方を誤ると、発火や爆発を招く危険物になります。ここ数年で少し安全性が高い「半固体リチウムイオン電池」を使った製品が発売されはじめましたが、乾電池ほど安全ではありません。しかしあと数年もすると「全固体電池」が登場し、乾電池並みに安全な製品に切り替わるでしょう。

 それまでは、本記事でご紹介した発火や爆発の予兆を見極めて、安全に利用して、正しい方法で廃棄してください。

最初から記事を読む 「最も危険なのは…」モバイルバッテリーはなぜ発火する? 安全に使うために、「絶対に選んではいけない」製品

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