近年、子どもの性被害が深刻化している。SNSやオンラインゲームを悪用した犯行が急増する一方、家庭内での性被害も後を絶たない。「逮捕される案件は実被害数の1%未満」と語るのは、NPO法人「子ども支援センターつなっぐ」の代表理事であり弁護士の飛田桂氏だ。

 2025年12月に、取材協力した電子コミック『性被害のせいで、息子が不登校になりました』(著者:あらいぴろよ、監修:斉藤章佳、KADOKAWA刊)も刊行された飛田氏に、性犯罪者たちの手口について聞いた。

オンラインゲームやSNSは、性被害の入り口となりやすい 画像はイメージ ©Hakase/イメージマート

「オフ会しない?」の先に、危険がある

 オンラインゲームを経由した性被害には、典型的なパターンがある。

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「最初は男女グループで一緒にオンラインゲームをして、そのうち『オフ会しない?』などと誘い出します。『女性もいるから大丈夫だろう』と案内された場所に付いていったら、実は女性も加害者側の一員で被害に遭ってしまう」

 その様子を撮影されてしまい、誰にも言えなくなる――まさに逃げ場のない構造だ。

 特に標的にされやすいのは、SNSに「死にたい」と書き込むような子どもたちだという。自己肯定感が低く、周囲にサポートしてくれる大人がいないと想定されることが理由だ。加害者は身分を隠して近づき、気持ちに寄り添いながら距離を縮めていく。こうした手口は、海外で問題視されている「エプスタイン事件」のようなケースと本質的に変わらないと飛田氏は指摘する。

 一方、家庭内での性加害はAVを見せたり、お風呂に入りながら体を触ったりといった形で始まることが多いと飛田氏。つなっぐが児童相談所などを対象に実施した調査によると、子どもへの性加害者の属性として最も多いのは「実父」(59件)。「実父は性加害なんてしない」というのは大間違いだと飛田氏は強調する。

性被害を受けた子どもの支援にも取り組む飛田桂弁護士(写真提供=本人)

 被害を未然に防ぐためには「知らない人に付いていったらダメだよ」と教えるだけでは不十分だ。「知っている人でも体を触るのはいけないことなんだ」と繰り返し伝える必要があると飛田氏は指摘する。

 それでも性犯罪は「交通事故のように、誰でも遭遇する危険性がある」ものであり、完全に防ぐのは難しい。飛田氏によると、被害を受けた子どもたちには「性化行動」と呼ばれる兆候が現れることがあるという。


 被害に遭った子どもたちが見せる性化行動の詳細、さらに飛田氏たちがどのように被害者たちと向き合い支援しているのかなど、インタビュー全文は下記からお読みいただけます。

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