Aさんは法廷で、「川越市のホテルなら親から何か言われても、勉強のためと説明ができるからそうしよう」と言われたと証言。そして勉強のためという説明について「そういう口実です」と答え、性交渉のためのホテル使用を認めた。
児童ポルノの製造・保持の証拠として検察が提出したのは、牧野被告のクラウドデータに残っていたサムネイル画像だった。傍聴者には画像の詳細はわからないが、公判での情報を総合すると「ホテルのベッドの上で、水着姿で首に紐をかけたもの」だったようだ。
この写真が撮影された経緯について、Aさんはこう説明した。
「(川越のホテルも池袋のホテルも)何度か行っています。写真撮影は性交の前にしています。また、紐を使ったSMプレイはしていました。撮影した場所はベッドの上です」
牧野被告側の弁護人は「牧野さんにSMのようなことをお願いしたことはあるか」とAさんが主体的にSM行為を望んだかと質問したが、Aさんは「いや。向こうにやりたいと言われた」と答えている。Aさんは牧野被告と交際していたことや自分からアプローチしたことは認める一方で、庇うわけでもなく投げやりな雰囲気を漂わせて証言台に立っていた。
牧野被告は写真を撮影したことは認めたものの、Aさんは裸ではなく水着を着ており、児童ポルノには該当しないと主張している。
「(Aさんの)裸の写真を撮ったことはありません。ただ、Aさんの首にロープを巻いていた写真は撮りました。(中略)なぜならAさんから『こういった格好のものを撮影してほしい』とお願いされたから。写真には性器や乳首は写っていません」
しかし裸ではなくても、児童ポルノに該当する場合がある。児童買春・児童ポルノ禁止法では、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」とされている。
「SMプレイを想起させるような紐を首に巻き付けているほかに…」
迎えた判決の日、牧野被告は白いワイシャツに茶色系のネクタイ、紺系のズボン、茶色の革靴を履いて入廷した。
裁判長が判決を読み上げる時は証言台に座ってうなずくこともなく、被告席に戻るとノートにメモを取っていた。
判決の中では、牧野被告の言い分の多くが却下され、牧野被告が撮影したAさんの写真は児童ポルノにあたると認定された。
「いずれの写真もAさんがいわゆるSMプレイを想起させるような紐を首に巻き付けているほかに…(中略)…陰部や乳首は写っていないものの、陰部の周辺部や乳房等が写っている」(裁判長)
この写真が交際関係にあるなかで撮られたものではあっても、児童ポルノの製造に該当しうる、という判断だった。
トー横に集まる子どもたちが、“支援者”であるはずの男性に性の対象にされてしまう事件は繰り返し起きている。

