日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。

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傍流社長の外資流改革

 ホルムズ海峡の封鎖に端を発した「令和のオイルショック」。最前線に立つのが石油元売り企業だ。最大手のENEOSホールディングスの社員は目詰まりを防ぐべく、調達網の見直しや顧客への説明、霞が関との調整に追われた。

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 業界の盟主であるENEOSだが、内部は一枚岩ではないという。「ホルムズ海峡より、自分の将来のほうがよほど心配だ」。50代管理職男性の恨めしげな視線は、2024年に就任した宮田知秀社長に注がれている。

ENEOSホールディングス社長の宮田知秀氏は、買収された東燃ゼネラル石油出身 ©時事通信社

 東京工業大学(現東京科学大学)大学院で修士課程を修了した宮田社長は就任以来、次々と大なたを振るう。3月にはENEOS不動産やENEOS総研、ENEOSキャリアサポートといった非中核子会社を統合すると発表、27年入社の新卒採用では事務職の採用を見送った。28年3月期までに651社あるグループ会社を半減させるとも宣言しており、「もう子会社や孫会社でシニア社員の面倒を見る時代ではないというメッセージだ」(同前)。

 買収や合併を繰り返し最大手となったENEOSだが、再編を主導したのは旧日本石油で、歴代社長は日石出身者で占められていた。宮田氏は買収された東燃ゼネラル石油出身で、あくまで傍流。技術系トップの副社長止まりというのが通説だった。しかし、日石出身の会長と社長が2人続けて性加害やセクハラで失脚する不祥事により、社長の座が転がり込んだ。

 東燃時代に米国の石油メジャー、エクソンモービルに出向した経験もある宮田氏は、理系出身者が経営の中枢を担うエクソンこそが理想だと称賛。「エクソンでは」「外資では」が口癖で、文系出身者が経営を牛耳り、接待やゴルフに明け暮れる日石の文化を鼻で笑っていたという。

 一連のリストラはその企業文化を一掃し、エクソンのような企業を作る第一歩だ。

※この続きでは、ENEOSホールディングスの課題について考察しています。約5500文字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年6月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。

出典元

文藝春秋

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