異国の地で感じた「絶望」の正体

――2012年に、前夫との子ども2人を連れて、新たに結婚されたフランス人夫と住むために渡仏されました。「フランスに行けば人生が変わる」と思っていたとのことですが、実際にはどうでしたか。

トレオレル うーん、初めはうんざりしていました(笑)。2013年に私にとっては第4・5子となる女の子の双子を出産したんですけど、何かに困って下を向いて黙っていても、日本なら「大丈夫?」と聞いてくれるのに、フランスでは声をかけてもらえない。複数人と話している時に、日本人ならひとりでも外国人がいたらゆっくり話すか英語に切り替えたりするのに、フランス語でガンガン話し続けられたり……。

「フランス人って、なんて気が利かない、冷たい、意地悪な人たちなんだろう」。そう思っていました。

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フランスへ移住した当初のトレオレル美智子さん(左)と、元夫(写真提供=本人)

――結婚生活、という点ではどうでしょう。1度目の結婚生活では壮絶なDVを経験されていましたが……。

トレオレル 最初の結婚と一緒で、やっぱり母親は耐えなきゃいけない、尽くす妻こそいい母だと思って、ずっと家事をひとりで頑張っていました。でも、ある日、爆発してしまって。さっき話したようなフランス人全般に対する不満もあって、夫に「もういやだ! 離婚したい! 日本に帰る!」とぶちまけたんです。

トレオレルさんを絶望に追い込んだ「夫の仕打ち」とは?

――旦那さんの反応は……?

トレオレル ものすごく意外だったんですけど、「あぁ、やっと会話ができるようになったね、言ってくれてありがとう」と。要はフランス人って、意見を言わないと何も伝わらないんです。夫からしたら「(家事育児をひとりで)やりたいからやってるんでしょ? やりたくないならやらないよね」と考えていたんだとか。

 例えば何かに「ノー」と言うことは、相手を信頼して、本音を伝えるという意味になるんですよね。確かにフランス人に「コーヒー飲む?」と聞かれてノーと言うと、すごい喜ぶんです(笑)。

 そこから、自分でため込むのではなく言葉にして伝えることの大切さを痛感して、少しずつ実践していきました。夫とも、ぶつかり合いながらコミュニケーションが取れるようになってきました。でも、そのころから彼の別の面が見えてきたんです。


 DV夫との離婚を経て、異国への移住、再婚・出産を経てようやく幸せをつかんだかに見えたトレオレルさんを絶望に追い込んだ出来事や、7人の子どもを抱えシングルマザーとなった日々の記憶などについては、続く記事で紹介しています。あわせてお読みください。

次の記事に続く 7人の子どもを残し「夫が突然いなくなった」…異国の地でいきなりシングルマザー→3度目の結婚→8児の母になった女性(41)が幸せをつかむまで

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