残されたのは、7人の小さな子どもたち……異国の地でシングルマザー生活を送ることに

――え、消えた?

トレオレル 2022年に、夫が急にいなくなりました。彼は親戚とは縁を切っていて、友だちもいなかったし、勤めている会社に聞いても何も言われていなかったらしく、完全に行方不明。私も何も心当たりがないし、ワケがわからなかったです。

「もう、彼は死んだんだ」。そう思うしかない状況で、フランス語も話せなかったのに子ども7人を連れたシングルマザーに逆戻りです。

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ある日、夫はいきなり消えた(写真提供=本人)

――どうやって生活を立て直していったのですか。

トレオレル 消えた夫とは最終的に弁護士経由で連絡が取れたのですが、養育費は彼に支払い能力がなかったので、もらえませんでした。定期的な収入は国からもらえる児童手当くらいで、一気に経済的に窮地に立たされました。しかも、国からは「養育能力がないから」と判断されて、裁判で子どもたちを奪われそうになるし……。

 それでも何とかいろんなツテで仕事をもらって稼ぐとともに、支援団体から食料や衣類を提供してもらったりもしましたね。フランスの悪い面も、いい面も、たくさん見てきた自負はあります(笑)。

7児を抱え婚活→相手はどうやって見つけたのか?

――現在のパートナーである3人目の旦那さんとは、どのように出会ったのですか。

トレオレル 離婚が正式に成立した後、マッチングアプリを始めたことがきっかけでした。いつも支援団体か、子どもの学校か習い事の人としか話さないから、フランス語を話せる友だちが欲しいと思ったんです。そこで3人目の夫となる彼と出会いました。

――これまで2回の結婚でなかなかつらい経験をされたこともあって、結婚に二の足を踏んだりもしそうです。

トレオレル うーん、結婚自体にネガティブな気持ちはそんなになくて、してもしなくてもどちらでもいいと思っていました。以前のように「誰かに頼りたい」「助けてもらいたい」という気持ちもなくなっていましたし、もう一人で全部できるようになっていたので。

 子どもたちもいるし、パートナーがいなくても楽しく生きられるようになったなと。だけど今の夫と出会った時に、1人でも楽しいけれど、2人だともっと楽しいなと思ったんです。それが、結婚の決め手となりました。

3人目の夫とは、アプリを介して出会った。丁寧にフランス語を教えてもらっている中で、親交を深めていったという(写真提供=本人)

――7人もお子さんがいることについて、お相手が気にされたりは?

トレオレル 彼とやり取りするときは、自分の中で「嘘はつかず、でも聞かれていないことには答えない」というルールを設けていました。だからしばらくオープンにしなかったんですよね。

 彼とは毎日何度も、文字でのやり取りを繰り返していて、一生懸命にフランス語や、文化を教えてくれました。そうしてやり取りを重ねていくうちにお互いになくてはならない存在となっていって彼から、プライベートに関する質問がきました。「子どもはいるの?」という内容で、「いるよ」と。そのあと「何歳の?」と聞かれたので、仕方なく7人の子ども全員の年齢を一覧で送りました。