富山県で名を轟かしたレディースチーム「音速天女」の初代総長を務めるも、傷害で少年院へ送られた過去を持つ総長しおりさん(36)。

 約2年間の収容を経て、現在はスナックを経営しながら2人の子どもを育てている。当時の行為については深く反省し、更生の道を歩んでいるという。

レディース総長だった頃のしおりさん

 怖いもの知らずのまま17歳になったしおりさんは、向かうところ敵なしの勢いで夜の世界を駆け抜けていたが、その無軌道な日々に突如として終止符が打たれる。傷害事件がきっかけで逮捕され、家庭裁判所の審判の結果、少年院へと送致されたのだ。そこでの1年8カ月に及ぶ長く厳しい収容生活が、彼女の人生を根底から変える大きな転機となった。

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 逮捕の直接のきっかけは、ある後輩の女の子を巡る些細なトラブルだった。調子に乗っていると見なした女子を呼び出してヤキを入れたところ、相手が泣きながら交番に逃げ込んだ。

 この行為にしおりさんは激怒。仲間と共に相手を再び連れ出し、執拗なリンチを加えたことが、傷害事件へと発展した。さらに後日、報復に現れた男を暴走族のメンバー総出で追い回したことで、完全に警察の捜査線上に浮かび上がった。逮捕状が出ていると知りながらも数日間、居留守を使って逃げ続けたが、ついに先輩の家へ向かう道中で待ち構えていた私服刑事に囲まれ、抵抗する間もなく取り押さえられた。

「少年院に入ってなかったら人を殺してたんじゃないか」

 家庭裁判所で少年院送致が言い渡された瞬間、彼女は現実を理解できなかったという。「えっ、初犯でしょ?」と高を括っていただけに、頭が真っ白になり、自分が犯したことの重大さをようやく認識した。

 送致先は、西日本で最も規律が厳しいとされる大阪の交野女子学院。しかし、到着時の彼女は反省するどころか「ここにはどんな悪いヤンキーがいるんだろう」と、新たな出会いに胸を躍らせていたという。だが、その気概はすぐに打ち砕かれる。入所直後に他の収容者と些細なことでケンカになり、懲罰として独房へ送られた。この一件で収容期間も延長され、少年院という場所の厳しい現実を、身をもって突きつけられた。

 独房での孤独な時間、施設での規則正しい集団生活、そして辛抱強く向き合ってくれる職員との対話を通じて、彼女は生まれて初めて自分自身と深く向き合うことになる。それまで気づかなかった、あるいは気づかないふりをしていた自分の身勝手さや未熟さを痛感させられた。

「人への接し方に思いやりが全くなかった」「後輩を仲間ではなく、自分のオモチャのようにしか見ていなかった」。次々と湧き上がる後悔の念に苛まれた。しおりさんは今、当時をこう振り返る。「あのまま外にいたら、私は人を殺してたんじゃないかって思う。それぐらい歯止めが利かない人生だったから。少年院に入って、本当によかった」。逮捕という出来事は、彼女が人間性を失う寸前で社会から与えられた、最後のチャンスだったのかもしれない。

 この気づきが、現在の彼女の生き方の根底にある。インタビュー本編では、少年院での具体的な生活の様子や、収容中に出会った仲間たちとのその後についても詳しく語られている。

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