沖縄の街で異彩を放つ謎の「Yナンバー」。ヤクザでもヤングでもないそのプレートを利用できる「人物」とは……沖縄生まれ、沖縄育ちの作家・神里純平氏の新刊『あなたの知らない 怖い沖縄』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目)
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「Yナンバー」って何?
きっかけは、ささいなことだった。
私が東京に出張に行った際に、知人男性のMさんが通称「Yナンバー」と呼ばれるナンバープレートをつけた車に乗っていた。
「Yナンバー」という呼び名は、この制度が始まった「横浜」の頭文字をとったことに由来するとされている。米軍関係者は沖縄や横浜に限らず、Yナンバーをつけた車に乗ることになっている。
これは日米地位協定に基づいている。
【日米地位協定 第10条】
1 日本国は、合衆国が合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に対して発給した運転許可証若しくは運転免許証又は軍の運転許可証を、運転者試験又は手数料を課さないで、有効なものとして承認する。
2 合衆国軍隊及び軍属用の公用車両は、それを容易に識別させる明確な番号標又は個別の記号を付けていなければならない。
3 合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の私有車両は、日本国民に適用される条件と同一の条件で取得する日本国の登録番号標を付けていなければならない。
Yナンバーは第10条の2項を根拠につけることとなる。
私はそのことを知っていたので、Mさんにこう尋ねた。
「軍属に女でもいるんですか?」
しかし、Mさんから返ってきたのは意外な言葉だった。
