沖縄の街で見かける謎の「Yナンバー」。

 ナンパ目的で目立ちたい一心から「一般人でも取れる」という知人の言葉を真に受けた著者は、軽い気持ちで取得へと動き出す。

 しかし、陸運局や米軍基地の機関「VRO」を巡る中で浮き彫りになったのは、日米地位協定と特権資格「SOFA」がもたらす根深い不平等条約の現実だった。

ADVERTISEMENT

 男の願望は果たされたのか? 沖縄育ちの作家・神里純平氏の新刊『あなたの知らない 怖い沖縄』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)

「Yナンバー」取得を目指す筆者は思わぬ事態に直面する……。写真はイメージ ©getty

◆◆◆

Yナンバーは取得できるのか?

 私は沖縄に戻ると早速陸運局に向かった。

 陸運局に到着し、ナンバーを発行する窓口で言った。

「Yナンバーを発行してほしいのですが」

 すると職員はさらっと返答した。

「VROからの書類はございますか?」

 そんなもの持っていないし、「VRO」という言葉すら初めて聞いた。

「VROとは何ですか?」

 すると、私のようにYナンバーを取得しようとする輩をこれまでたくさん相手にしてきたのか、職員は少々うんざりした顔になった。