日本独特の「大きな丸い花火」
花火にはたくさんの種類がありますが、多くの方が想像されるのは、菊のように光が伸びて丸く大きく開く花火でしょう。これは、ジャパンスタイルと呼ばれるほど日本で独自に発達してきた花火です。
プレスして製造した火薬を筒に詰めて作る、柳のように光が吹き上がる海外の花火とは異なり、日本のこうした花火は割物(わりもの)花火と総称される、くす玉のように玉が割れて中から花火が飛び出す仕組み。丸い玉の中に「星(ほし)」と呼ばれる鮮やかに光り色を出す火薬や、「割薬(わりやく)」と呼ばれる玉を割るための火薬をバランス良く詰め、玉が均等に割れるようにクラフト紙を貼り付けて包みます。
星は、金平糖作りの要領で、菜種などの小さなかけらに、毎日少しずつ、火薬と水とのりを混ぜ合わせた薬品をかけては天日に干し……を繰り返し、薄い火薬の層を1日0.5ミリずつ積み重ねて大きくしていきます。青から赤に色を変化させたいなら、かける薬剤の調合を毎日徐々に変える必要もありますし、作業時の気温や湿度でも燃焼には計画とのわずかな狂いが生じますから、経験をもとにその都度、水分量も調整しなければいけません。もちろん、一度に大きく作る方がコストは安くなりますが、質が悪くなるので、雨天を避けつつコツコツ毎日作業します。大きな花火に使える2センチ程度のサイズになるまで3ヵ月程度はかかるので、もはや「育てる」感覚です。
※本記事の全文(約7000字)は、月刊「文藝春秋」9月号と、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(野村陽一「この国でしか上げられない花火がある」)。 全文では、下記の内容をお読みいただけます。
・「闇夜の烏(からす)だ」と揶揄されることも
・「光の起承転結」という美しい花火の条件
・日本の花火は輸出できない
・米国の弾切れは予想できた
※野村陽一さんが登場したグラビア「日本の顔」も合わせてご覧ください。
出典元
【文藝春秋 目次】芥川賞発表 受賞作全文掲載 小砂川チト「ゾンビ回収婦」/「高市総理よ、日本を壊すな」細川護熙/がん15部位 早期発見ガイド
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