後日、その画像を同じクラスの保護者たちが目にしたことで事件が発覚。
教育委員会や児童相談所、警察が動く事態となりました。12歳の颯太さんには刑事責任を問えないので、逮捕されることはありません。
彼は盗撮行為を二度と繰り返さないために、母親とともに当院を受診しました。
颯太さんに詳しく話を聞くと、これまで学校内で8回もの盗撮行為をしてきたことが判明しました。
過去には被害児童が気づき、教員に訴えたこともありました。
しかし、教員は颯太さんをたしなめ、被害児童の前で画像を削除させただけ。颯太さんは「お咎めなし」状態でした。
こうした対応に、一度は被害児童の保護者が抗議をしたものの、学校側は「まあまあ、小学生の男の子がやったことですから」と受け流し、適切な対応をしませんでした。
これら一連の出来事が、颯太さんにとって「負の成功体験」となり、今回の重大な事態を引き起こす遠因となっていたのです。
「もうやりません」と言いつつも…
診察室で私と向き合った颯太さんは、「もうやりません」「こんな大ごとになるとは思わなかった」など、型どおりの反省を口にしました。
彼にはASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)などの発達特性はみられず、中学受験を控えるほど成績も優秀。
両親との仲も良く、家庭環境は安定していました。
ただ、私に対して、どこか大人を小馬鹿にするような態度があったのも事実です。
「注目されたい」「こんなことをできるのは自分だけ」という承認欲求とともに、「今回も、どうせ許されるだろう」と高をくくっていたのかもしれません。
