「決して珍しい病気ではありません」

「頻度は膀胱瘤が最も多く、次いで子宮脱、直腸瘤の順です。生涯罹患率は、出産経験のある女性の約4割と言われ、50歳以上では2人に1人に何らかの骨盤臓器脱症状が認められると言われています。女性の9人に1人が何らかの症状を発症して、手術を受けているとの報告もあり、決して珍しい病気ではありません

骨盤底筋と臓器の位置関係

 では、なぜこれほど多くの女性が発症するのか。そのメカニズムとリスク要因を見ていこう。

 藤井医師は「出産」と「エストロゲン」という2つの要因を挙げる。

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「出産は骨盤底にとって大きなダメージとなります。経腟分娩では、胎児の大きな頭が通るため、骨盤底の筋肉や靭帯は猛烈に引き延ばされ、ダメージを受けます。時間の経過で回復しますが、いったん弱った骨盤底は、年齢を重ねてから脆弱性が顕在化しやすいです」

 骨盤底の弱体化が加速するのが閉経後だ。

「エストロゲンは血管新生や血流の維持に関与し、組織の弾力を保つ役割を担います。閉経に伴ってエストロゲンが減少すると、骨盤底の支持組織は急激に弱くなります。加えて、体質も関係します。同じくらいの体重の子どもを出産しても骨盤臓器脱になる人・ならない人がいますし、中には出産経験のない人でも発症するケースも。元々の骨格や筋肉の強さなどが関係すると考えられます」

《この続きでは、出産経験、加齢や閉経のほかにも挙げられるリスク因子、骨盤臓器脱を見逃さないためのチェックリスト、QOLが劇的に改善するという最新の手術方法についてを専門家が解説している。記事の全文は「週刊文春 電子版」および8月27日(木)発売の「週刊文春」で読める》

(ふじいみほ/1981年札幌医科大学医学部卒業、同大学院修了。同大産婦人科学講座助手、講師、アメリカ留学を経て、時計台記念病院で女性総合診療センター長、院長、カレス記念病院で次席院長など要職を務める。2026年から現職。)

この記事の詳細は「週刊文春電子版」でお読みいただけます
骨盤臓器のヘルニア|その悩み、女医が解決!文春女性外来【第33回】

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