経済産業省が8月20日、2033年に日本発のエンタメ・コンテンツ分野で海外売上20兆円を目指す「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026」を発表した。
新戦略を打ち出す一方で、注目を集めているのが「クールジャパン機構(以下、CJ機構)」の失敗だ。アニメや食文化などの海外展開を支援してきた官民ファンドは累積赤字が540億円に上り、廃止に向け調整が進められていることが明らかとなっている。
加えて、今回の産業戦略をとりまとめた有識者会合の座長を務める中村伊知哉氏が、かつて内閣府クールジャパン戦略推進会議の委員を務めていたことなどから「クールジャパン失敗おじさん」と揶揄され、SNSで炎上する事態になっている。
いまだ失敗が総括されていないCJ機構とは何だったのか。
株式会社「刀」への80億円出資
2013年に安倍政権の肝煎り政策として発足した同機構は、官民で1513億円を出資した。「民業圧迫」を避けるため高リスク案件へ投資せざるを得ない構造を抱え、初期のショッピングモール事業や海外放送事業で失敗が相次いだ。さらにドバイでの飲食店展開案件では、紹介された現地法人の代表者が消息不明となり計画が頓挫。カリスママーケター森岡毅CEOが率いる株式会社「刀」にも80億円を出資。同社は運営会社を通じて「ジャングリア沖縄」などのテーマパーク事業をスタートさせたが、開業1年で経営危機が報じられている。また、お台場でオープンした「イマーシブ・フォート東京」も2年で閉業するなど、疑問視される投資先として名前が挙がっている。
「週刊文春」の取材に対し、後に所管大臣である経産相として機構の舵取りも担った世耕弘成元経産相は「500億円超の赤字を出した以上、真摯に反省しなければならない」とし、官民ファンドの役割は終わったとの見解を示した。
「週刊文春」では7月時点で問題出資先のリストを作成していた。森岡氏の「刀」への出資が失敗に終わった背景、400億円超の赤字で経営破綻した企業が失敗に至った経緯などリストに掲載された企業および事業の実態を詳しく報じている。リストおよび記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」で読むことができる。

