7月28日、熊本南部で発生した震度7の地震は、イオンモール熊本での爆発事故など二次災害も多数発生し、死者は38人を数えている(9月1日時点)。
2016年4月にも巨大地震(平成28年熊本地震)に見舞われた熊本。この二つの大地震の対応に当たったのが、木村敬・熊本県知事だ(2016年当時は総務部長)。木村知事に、二つの地震から学ぶべき教訓を聞いた。
「10年前」の経験は活かされたのか
地震発生直後には、体育館で毛布を敷いて雑魚寝、という過去の災害時と変わらない光景がテレビ報道によって伝えられた。10年前の経験は活かされたのだろうか。
「今回のような大規模災害に必要な物資を、すべての避難所で常に用意しておくのは、備蓄スペースの問題もあり、現実的には難しい。ですから地震発災直後は、そのような状況にならざるを得ないのです」
だが、その後の早さは、前回とはまるで違ったと知事はいう。
「今回、その状況をできるだけ早くに改善し、段ボールベッドやパーテーションが入り始めたことは、大きな前進といえます。(なぜなら)1年前から、(上益城郡)益城町にある消防学校に、国の分散備蓄物資拠点が整備されていました」
今後は、最初の3日以内、できれば48時間で、避難所環境をどこまで向上させられるかを追求していきたいという。
酷暑の中での避難を強いられた今回の地震。発生の翌日には、国からポータブル型のクーラー約300台が、自衛隊機によって熊本空港に空輸された。だが、電気の復旧途上の局面でクーラーだけ送ってどうするのか、という批判の声もあった。
「たしかに熊本県がクーラーを送ってくださいと要望したわけではありません。つまり国によるプッシュ型の対応ですが、これはありがたかった。
つまり、被災地の状況は刻一刻と変わる。今日電気が通っていなくても、明日には復旧するかもしれない。それを待ってクーラーを発注したのでは、さらに数日遅れてしまうからです」
知事として国やライフラインの事業者にお願いしたこと、仮設住宅のあり方、甲子園でベスト8の有明高校への想い、ご当地キャラ「くまモン」の果たした役割など、木村知事が語る「熊本地震戦記」は、月刊「文藝春秋」10月号(9月10日発売)、および月刊「文藝春秋」の電子版「文藝春秋PLUS」(9月9日先行配信)に掲載されている。

