犯人の正体は…

「あいの会」の小沢樹里は、松永に「声を上げよう」と励ました。松永に重荷を背負わせることになるかもしれない。しかし、それに屈することはないだろうと信じていた。これまで事故の遺族は当たり前のように中傷を受けて、泣き寝入りをしてきた。

 小沢にはそれを何としても変えねばならないという積もりに積もった信念があった。放置すれば同じことが繰り返され、他の遺族が傷つくからだ。小沢は松永とともに闘おうと決意した。

新刊『池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日』(文藝春秋)

 松永は自分が公的に発言する以上、ある程度の中傷は仕方ないと考えていた。ただ、今回は何者かが明確に攻撃の意思をもって、自分のアカウントに直接投稿した。松永は覚悟を決め、警視庁に被害届を出した。

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――真菜と莉子への侮辱は絶対に許さない。一線を越えたので徹底的に闘う。

 私は同僚とともに、SNSや公開情報を調べ、投稿者が愛知県に住む二二歳の湯川順一(仮名)であることを割り出した。

次の記事に続く 「誰かに注目されたかった」両親に迷惑をかけても、警察に逮捕されても“迷惑行為をやめられない”…《池袋暴走事故》被害者叩きに酔った【22歳男性のその後】