ケニアとタンザニアに暮らす少数民族・マサイ族。そのマサイ戦士のリーダーと2005年に結婚し、第2夫人となったのが、ツアーコーディネーターの永松真紀さん(59)。ケニア在住歴は30年超えの彼女に、マサイとの出会いから結婚の経緯、そして現地での暮らしについて話を聞いた。
「キムタクよりも脈がない」男と交際0日で結婚するまで
永松さんがマサイに深くハマったきっかけは、カメラマンの知人に誘われて偶然立ち会った伝統的な成人式「エウノト」だった。青年時代を卒業する誇らしさと寂しさが入り交じり、戦士たちが震えながら男泣きする姿を目の当たりにした瞬間、「なんて美しいの、マサイ……!」と夢中になったという。
その中でも、特別な存在感を放っていたのが現在の夫・ジャクソンさんだ。「怖いぐらい、特別にワイルドな男がリーダーのジャクソンでした」と永松さんは振り返る。とはいえ当初は、「これだったらキムタクのほうがまだ脈ありじゃない?」と友人と笑い合うほど、接点は皆無だと感じていた。
ところが、儀式の写真を届けようと伝言を頼んだところ、翌日には本人がホテルに現れるという急展開が起きる。村へ招待された後日、長老から結婚の話が出た。すでに第1夫人がいて、永松さんは第2夫人になるという提案だった。
戸惑いながらも「世界を飛び回る仕事人間がマサイに嫁ぐことは可能か」と問うと、長老から返ってきた言葉が決め手になった。「仕事がある時はあなたの生きがいである仕事をすればいいし、逆にそれがない時には、村に帰ってくればいいんです」。さらに「あなたが日本人であることもリスペクトする。我々の生き方を尊重する気持ちさえ持ってくれれば、あなたもマサイと呼べる」とも言われ、「なんて素敵な考え方!」とぶっ飛んだという。
永松さんがマサイに惹かれ続ける理由は、まさにこの姿勢にある。「マサイって、相手の生き方や文化といった他者をリスペクトする力がハンパじゃなくて、誰かを妬むような感情はほぼないんじゃないかと思うことがしばしばあります」。異文化の中で30年を過ごしてきた彼女の言葉には、確かな実感が宿っていた。
第一夫人との関係や、マサイ流の子育て術など、インタビュー本編で詳しく語られている。
