「体中あざだらけになって、DVじゃないの? と疑われるくらいでした」

 そう語るのは、福岡のご当地アイドルグループ「HR」を21歳で卒業し、ポールダンサーへと転身した望月彩華さん(32)だ。運命のダンサーとの出会いから始まった第二の人生。世間の「下着姿のセクシーなダンス」という偏見や激しい身体的苦痛に晒されながらも、彼女がポールダンスに捧げる情熱とプロとしての矜持について、インタビューで詳しく伺った。

望月彩華さん ©釜谷洋史/文藝春秋

「ただのエロいダンスと思われるのが悔しかった」

 2015年、家庭の事情により「HR」を卒業した望月さんは、その1年後に訪れたショークラブ「バーレスク東京」で運命的な出会いを果たす。ステージ上で圧倒的な存在感を放つダンサー・KUMIさんのパフォーマンスに心打たれ、「同じステージに立ちたい」と未経験ながらポールダンスの世界へ飛び込んだのだ。

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 しかし、待ち受けていたのは想像を絶する身体的苦痛であった。ポールダンスは肌を露出した状態で体重を強くかけてバランスを取るため、皮膚の激しい摩擦によって体中が内出血し、青あざだらけになる。街を歩けばDV被害を疑われ、海やプールに行くことすら憚られる日々が続いた。

 痛み以上に彼女を苦しめたのは、世間からの偏見だ。望月さんは「体力も筋力も必要で、体中あざだらけになりながら練習するのに、下着で踊るというだけで努力が見えなくなってしまう」というポールダンサーとしての葛藤を明かす。どれほど技を磨こうとも「脚を開いていてエロい」と一蹴されることに悔しさを感じながら、彼女は必死に技の練習に打ち込んだ。

望月彩華さん(写真=写真集『色彩』より)

「露出は滑り止めのため必要」だが…オリンピック競技化への壁

 ポールダンスにおいて、衣装の露出には明確な機能的理由が存在する。体をポールに固定してアクロバティックな技を繰り出すには、皮膚の直接的な摩擦が必要不可欠であり、布地で覆うと滑って落下してしまうのだ。

 一方で、パリオリンピックでのブレイキン採用のように、ポールダンスもオリンピック競技化を目指す動きがあるものの、衣装の露出度が壁となっている現状があるという。しかし、ダンサーにとって露出は決して過激さの演出のためだけにあるでのはなく、自らの体を張って技を成功させるための必須要素なのだ。

 寝ずに練習して、ネットカフェでシャワーを浴びてそのままレッスンに通うような過酷な下積みを経て、憧れのステージのセンターに立った望月さん。実は彼女は、アイドル時代から恋人でも夫でもない人との「ワンナイト」を続けているという。その「意外と深い」理由とは――。詳しくはインタビュー本編で詳しく語られている。

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