アクティビストから退任を求められたものの、社長再任を果たした出版大手KADOKAWAの夏野剛氏(61)。夏野氏への批判の一つが、4社の社外取締役を兼任していることだった。
オアシス・マネジメントが「夏野氏はKADOKAWAの経営に集中していない」と批判
6月24日に開催されたKADOKAWAの株主総会。筆頭株主でアクティビストとして知られる香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」は、夏野氏が社長に就任した2021年以降、営業利益が40%減少したことやゲームなどの知的財産の価値を十分に生かし切れていないこととあわせて、夏野氏が以下の4社の社外取締役を兼任していることを批判した。
グリーホールディングス(株)社外取締役
(株)U-NEXT HOLDINGS社外取締役
トランスコスモス(株)社外取締役監査等委員
日本オラクル(株)社外取締役
オアシスは、〈夏野氏はKADOKAWAの経営に集中していない〉とした上で、その原因を〈夏野氏は、KADOKAWAのCEO及びドワンゴ社長を務める一方で、国内上場企業4社の社外取締役を兼任していることに加え、アカデミア・教育機関、財団法人、業界団体、未上場企業などにおいても多数の役職を兼務している〉ことを挙げた。
株主総会投票で夏野氏が再任も衝撃的な結果
株主総会の投票の結果、夏野氏は再任されたが、その数字は衝撃的なものだった。
〈賛成 712,842 反対 352,395 棄権 129,167〉
〈賛成率 59.68%〉
KADOKAWAの他の取締役11名も選出されたが、その大半が9割以上の賛成を得ていた。夏野氏は、昨年の株主総会では90.25%の賛成を得ており、1年で約30ポイント支持を落としたことになる。
日本企業のガバナンス改革の切り札として導入された社外取締役。ただ、近年、形骸化が指摘されている。その理由の一つが、社外取締役の兼任が少なくないことだ。金融庁と東証も問題視しており、7月にコーポレートガバナンス・コードを改定し、新たに「独立社外取締役の『質の確保』を明記した。一般社団法人日本取締役協会も、社外取締役が十分な時間と労力を自社の職務に注ぐ観点から、上場会社での兼任は、3社までにすべきと提言している。

