国の統計の信頼性が揺らいでいる。2025年に実施された国勢調査で、富山市が人口を2000人以上水増ししていた疑惑が浮上したのだ。総務省は9月29日に、統計法違反の疑いで富山県警に告発。県警は10月3日に市役所を捜索するなど、強制捜査に踏み切った。今後は関与した職員の特定や、不正が行われた動機の解明が進められることになる。
10年の調査で、当時の副町長が逮捕された
「国勢調査は5年に1度実施され、衆院小選挙区の区割りや重要政策の根幹的なデータとして使われる。富山市では任命された約2000人が各戸を回って調査。調査員の指導や回収した用紙の点検にあたるのが約300人の市職員で、最終的には企画調整課の約20人が確認する。今回は複数の職員の関与が疑われており、上層部がどこまで把握していたかが焦点だ」(社会部記者)
富山市で行われたのは、居住実態のない世帯を勝手に追加する手口だったが、なぜ不正が行われたのか。
国勢調査を巡っては、過去にも刑事事件に発展したことがある。10年の調査で、愛知県東浦町が意図的に人口を水増ししたとして、当時の副町長が逮捕されたのだ(その後、執行猶予付き有罪判決が確定)。東浦町は市への昇格を目指し、条件となる人口5万人を上回るように工作していた。



