俳優、山﨑努氏初のドキュメンタリー映画『山﨑リバーサイド-俳優の肩ごしに-』が、開催中の第39回東京国際映画祭(東京・日比谷など)でプレミア上映されるのを機に、山﨑氏と同作の犬童一心監督の対談が「週刊文春 電子版」に掲載されている。山﨑氏のインタビュー、密着取材、数々の映画・舞台・ドラマの映像、関係者の証言などで、「俳優・山﨑努」に迫った映画について、二人が語り合った対談の一部を紹介する。

『山﨑リバーサイドー俳優の肩ごしに-』©SKYDRUM Inc.

◆◆◆

「今の自分を撮ってもらうのもいいんじゃないか」

 対談ではまず、『山﨑リバーサイド』というタイトルについて、提案した犬童監督がこう明かした。

ADVERTISEMENT

犬童一心(以下、犬童) 山﨑さんのお話を聞いていると、川の話が印象的なんです。子どもの頃、父の宇之助さんと出会った橋の下の狂人のお話。黒澤明監督の『天国と地獄』の登場カットでは川沿いを歩いている。ご自身も近所の多摩川に散歩に行っては、川岸の掘っ建て小屋の飲み屋に寄っていた。

山﨑努(以下、山﨑) もともと多摩川の河川敷は僕の散歩コースでね。家から歩いて多摩川まで十五分、そこからあの店まで二十分くらい。歩いて行って、川のほとりで一息ついて、ビールがあれば楽しいから。

 犬童監督は、「初めて会った時から俳優の代表みたいな人」である山﨑氏が、「ふだん何を考えているのか、何を考えて演技をしているのかに興味があった」という。映画は黒澤明監督『天国と地獄』やドラマ『早春スケッチブック』、舞台『リア王』などの映像を交えつつ、山﨑氏本人はもちろん、渡辺謙、香川照之、柄本明、鶴見辰吾など、山﨑氏を近しく知る俳優たちの証言から、演技するとき名優の中で何が起こっているのかに迫っていく。山﨑氏は今回のドキュメンタリー制作が自身の‟発案“であったことを明かした。

『山﨑リバーサイドー俳優の肩ごしに-』©SKYDRUM Inc.

山﨑 昔から僕のドキュメンタリーを撮りたいというお話はいくつもあったんだけれど、みんなお断りしていた。俳優は演技を見せるもので、素の自分は隠しておくべきだと思っていたからね。でも、文章を書くようになって、だんだん自分の過去や内面をさらけ出すことに抵抗が薄くなってきた。そして、大きな病気をして、残された時間を意識したときに、今の自分を撮ってもらうのもいいんじゃないかと思ったんだ。それで犬童さんに声をかけた。

『山﨑リバーサイドー俳優の肩ごしに-』(左)、黒澤明監督『天国と地獄』(右)

犬童 僕は以前からいつか山﨑さんを撮りたいと思っていたので、願ったりかなったりでした。これはきっと面白くなると思いました。

 対談の全文は「週刊文春 電子版」で読める。映画『山﨑リバーサイド-俳優の肩ごしに-』は東京国際映画祭で10月28日、11月2日に上映、山﨑氏、犬童氏の登壇も予定されている(チケット発売中、完売の可能性あり)。

映画『山﨑リバーサイド-俳優の肩ごしに-』

『山﨑リバーサイド-俳優の肩ごしに-』
監督:犬童一心/出演:山﨑努、渡辺謙、香川照之、鶴見辰吾、山下智久、柄本明/2026年/日本/131分/配給:カルチュア・パブリッシャーズ/©SKYDRUM Inc./2027年公開予定

次のページ 写真ページはこちら