実際に、児童に対する性加害者には固執型の傾向が、成人に対する性犯罪者には回避型あるいは拒絶型の傾向が、そして性犯罪者全体では非性犯罪者と比較して無秩序型の傾向が、それぞれ高いことが報告されています。

「襲うしかなかった」と言う少年の理由

さらに、幼少期の虐待被害が不安定な愛着スタイルの形成や愛着障害につながることは、これまで幅広く研究されてきました。そのため、こうした愛着上の問題が性犯罪のリスクを高める可能性は十分に考えられます。

性非行を行った少年たちもコミュニケーション力の低さが目立ちました。そのため異性はもちろんのこと、友人との良好な対人関係がつくれず孤立していたり、いじめ被害や虐待被害により強い被害者意識、大人への不信感、不安定な愛着スタイルを呈していたりしました。

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ある少年は私にこう言いました。

「女性とコミュニケーションがうまく取れないから、襲うしかなかった」

もちろん論理の飛躍もありますが、社会性の困難さがなければもう少し違った行動につながっていたのではと感じます。

宮口 幸治(みやぐち・こうじ)
立命館大学教授
児童精神科医・医学博士。立命館大学総合心理学部・大学院人間科学研究科教授。一般社団法人「日本COG-TR学会」代表理事。臨床心理士。児童精神科医として精神科病院や医療少年院、女子少年院などに勤務し、2016年より立命館大学教授に就任。著書に『ケーキの切れない非行少年たち』『どうしても頑張れない人たち』『歪んだ幸せを求める人たち』(以上、新潮新書)、『コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング』(三輪書店)ほか多数。
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