フェーズは「新たな手口」へ
9月末から相次ぐ不正アクセスも新たな局面を迎えている。10月に入ってもその猛威は収まらず、被害は個人情報の漏洩だけでなく証券会社での「不正取引」に及んだ。
10月20日、岩井コスモ証券はシステム運用の委託先がサイバー攻撃を受け、顧客の7つの口座で不正な売買の注文が出されており、そのうちの5口座で取引が成立していたと発表。
「株価を操作し利益を得るための不正売買と見られている。676万件の総当たり攻撃があった日もあり、沖津嘉昭会長は会見で、『個人的にはAIによるものだと思う』と語っている」(経済紙記者)
冒頭で触れたように、21日には「お名前.com デスクトップクラウド」で不正取引が起きた。
「以前から社内で指摘されていたシステムの脆弱性を突かれた格好で、発表によれば不正アクセスの影響を受けた可能性があるサーバーは約2万7000件。GMOは攻撃側から100万ドルを支払うよう脅迫されていたがこれには応じず、被害者に対し不正取引と認められた損害について補償すること、サービスの利用者へ一律5000円の見舞金を支払うことを約束した」(同前)
しかし――。24日、被害者に再びハッカーからのメールが届く。
「『27日までにGMOが金を払わなければ、個人情報を公開する』という脅迫文が書かれていた。他の被害者と連絡を取り合ったところ、少なくとも十数人は同様のメールを受け取っているようです」(被害男性)
さらに攻撃側はGMOが金銭を支払わなければ、サーバー経由で乗っ取った顧客個人のPCにランサムウェア攻撃を行うと宣言。明治大学大学院理工学研究科情報科学専攻の齋藤孝道教授は、今回の手口について次のように語る。
「従来のランサムウェア攻撃は、企業のシステムを乗っ取って身代金を要求し、拒否されれば盗んだ情報を公開すると脅す、二重脅迫でした。今回のように顧客の金融資産を直接狙い、不正取引による損失を脅迫材料とした事例はこれまで聞いたことがなく、新たな手口と感じる。企業へプレッシャーをかけることが狙いではないか」
《この続きでは、「日本がブルーオーシャン」となっている理由、資産を守るためにできる対策などを詳しく報じている。記事の全文は「週刊文春 電子版」で読むことができる》


