昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2018/11/23

朝日が嫌いすぎて、もっとも朝日を熟読しているおじさん

 さて、皆さんは産経新聞にはどんなイメージを持っているだろうか。拙著『芸人式新聞の読み方』では新聞各紙を擬人化してみたのだが、私の産経のイメージは「いつも小言を言ってる和服のおじさん」である。(※たまに軍服を着てるという説もある)

 イメージするなら産経はガンコな保守おじさんだ。ほかに特徴を言うなら、

・朝日新聞を嫌いすぎて、朝日新聞を最も熟読しているおじさん。
・キャラが強いので読み比べをするなら必ず入れたい一紙。

 である。

©︎iStock.com

 キャラが強いのは読む側にとってはありがたい。「産経」とか「日刊ゲンダイ」とか「ナベツネ」とか(読売です)、感情の起伏が激しい新聞は読んでいるとたちまち「おじさん」がイメージできて面白いのです。

11月16日、「産経」で何が起こったのか?

 では最近の産経で読みごたえがあった日をあげよう。先週金曜日の11月16日だ。

 1面は「首相提案で交渉前進」

 北方領土問題での安倍首相の「成果」が強調されている。

《北方領土問題で強硬姿勢を崩さなかったプーチン露大統領が、ついに3年内に平和条約を締結する方針に同意した。》

©︎AFLO

 私が注目したのは「ついに」という言葉である。一般紙のリード文に「感激」が入っているのである。心の動きがみえるではないか。

 しかし、さらに興味深いのはここからだった。紙面を1枚めくると社説があるのだが、タイトルは「四島返還の原則を揺るがすな」。

 ……あれ?

 読んでみると、

《日本の後退とみられる》

《ロシアとの拙速な交渉は中韓両国につけいる隙を与えるという意味でも後世に禍根を残す。》

 と書いているではないか。激おこなのである。1面の感激ぶりと正反対。