警察が最凶と恐れるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」。2000人ものスカウトたちが路上やSNSで女性を狙い、次々と風俗店へ送り込む。独自の「闇アプリ」で支配された組織は、年間数十億を稼ぎ出し、裏切り者には凄惨なリンチを加えるという。暴力団や警察官までも飲み込む、この地獄のような組織の実態とは――。
ここでは、組織の実態に迫ったルポルタージュ『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(著=清水將裕・日本橋グループ*、講談社)より一部を抜粋。スカウトを介して夜の仕事の紹介された人気デリヘル嬢・ミレイ。整形手術を繰り返したあと、豊胸手術でGカップにした彼女の素顔を紹介する。(7回目から続く)
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美容整形業界にもスカウトグループが入り込んでいる
「どうせするならGくらいがいいかなって。クリニックの有名な先生にも勧められたし、みんな胸やるならGくらいにしてるよっていう話を聞いたのもあるかな」
施術を受けたクリニックは、計3ヵ所。すべて自分の担当スカウトに紹介してもらったのだという。もともと勤務先のデリヘルを紹介してくれた、同年代のスカウトだ。
「けっこう、スカウトさんにクリニックを紹介してもらうことも多いですよ。あそこが流行っているとか、あそこは先生がちゃんとしているとか、女の子よりも詳しいスカウトさんもいるからさ。自分でもいろいろネットで見て探すんだけどね、よく分かんないし……。なんだかんだでスカウトさんのほうが詳しかったりするからね」
ミレイは、敬語とタメ口が混じった、独特の喋り方をしていた。大学には入学したが、2年ほどで辞めてしまったという。
スカウトが風俗嬢に美容クリニックを紹介する。実は、こうしたケースはかなり増えているようだ。美容整形業界にも実はスカウトグループが入り込み、女性を客として紹介している実態がある。
風俗嬢には「面倒くさがり」が多い
ミレイは普段IQOSを吸っている。いったん席を外して喫煙所に行き、戻ってきて話を続けた。
「なんかね、スカウトさんはLINEで連絡したらすぐ返信くれるしね、ついつい仕事以外のことでも頼っちゃうかな。友だちにも彼氏にも相談できないことも、スカウトさんなら気にせずに言っちゃうこともあるしね。私が分からない色んなこと知ってるから、いいんだよね」
今回の取材で10人近くの風俗嬢の女性に会って話を聞いたが、印象としてはとにかく「面倒くさがり」が多い。夜の業界に入る前はもっと普通だったはずなのだが、何をするにしてもおそろしいほど「面倒くさがる」のである。
