警察が最凶と恐れるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」。2000人ものスカウトたちが路上やSNSで女性を狙い、次々と風俗店へ送り込む。独自の「闇アプリ」で支配された組織は、年間数十億を稼ぎ出し、裏切り者には凄惨なリンチを加えるという。暴力団や警察官までも飲み込む、この地獄のような組織の実態とは――。

 ここでは、組織の実態に迫ったルポルタージュ『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(著=清水將裕・日本橋グループ*、講談社)より一部を抜粋。スカウトの紹介で、歯科衛生士から風俗嬢になったアリサについて紹介する。(10回目に続く

写真はイメージ ©アフロ

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ソープランドなどで働く女性の多くがホスト好き

 ホストにハマっている、アリサ。

 風俗業界でよくいる、というか、もっとも多いタイプなのが、ホストにどっぷりハマっている女性だ。風俗で働いていてホストクラブに行くようになる場合もあれば、もともとホストクラブに通っていて店へのツケが払えなくなり、ホストからスカウトを紹介されたり、あるいはホストが直接ソープランドなどに取り次いだりする場合もある。

 ソープランドの場合、毎日初対面の男性に会って裸で濃厚なサービスをし、時には嫌な思いもする。日給で10万円以上稼ぐ嬢も珍しくないが、ナチュラルなどの現役スカウトによると、ソープランドなどで働く女性の多くがホスト好きだという。

 それは、仕事のストレスを紛らわすためという側面もあるし、ソープランドで稼いで多額のおカネを手にした結果、ホストクラブに行きやすくなるということもある。

「経験としても悪くないだろう」友人の誘いでホストクラブへ

 アリサは専門学校を卒業後、歯科衛生士の仕事についていた。専門学校時代の同級生の友人に誘われてたまたま歌舞伎町のホストクラブに入店し、それをきっかけに、いつの間にか一人でも店に行くようになったという。最初は、むしろホストのような男はタイプではなく、友人に誘われた時もあまり乗り気ではなかった。ただ、仕事に少し疲れていたのと、まあ一回行くだけなら経験としても悪くないだろうと思った。

 はじめての歌舞伎町。そしてはじめてのホストクラブ。一緒に行った友人のトモコは慣れていた。

 接客をするホストは、10分おきくらいに入れ替わり、その都度名刺を渡しては話をしていく。4回目くらいについたホストが、妙にウマが合った。顔はそこまで美形ではなかったが、なぜか居心地がよかったのだ。アリサは、連絡先を交換した。