警察が最凶と恐れるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」。2000人ものスカウトたちが路上やSNSで女性を狙い、次々と風俗店へ送り込む。独自の「闇アプリ」で支配された組織は、年間数十億を稼ぎ出し、裏切り者には凄惨なリンチを加えるという。暴力団や警察官までも飲み込む、この地獄のような組織の実態とは――。

 ここでは、組織の実態に迫ったルポルタージュ『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(著=清水將裕・日本橋グループ*、講談社)より一部を抜粋。2020年6月4日に、新宿・歌舞伎町で100人近い武闘派の暴力団員が若い男性を次々と襲撃する「スカウト狩り」が起きた経緯を紹介する。(6回目に続く

写真はイメージ ©momo.photo/イメージマート

◆◆◆

ADVERTISEMENT

有名大学の現役学生や卒業生も多数在籍

 数年前からナチュラルを担当しているある捜査関係者は、次のように呟いていた。

「単なる粗暴な組織ではないところがやっかいだ。まるで海外のマフィアや秘密結社のように、とにかく内部の統制が徹底している。情報の漏洩や裏切り行為を許さず、しかも末端と幹部の間も遮断されていて、これまでの捜査のやり方では上層部までなかなかたどり着けない。

 従来のスカウト組織のようにちょっとヤンチャな感じのメンバーだけではなく、中には偏差値の高い大学に在学中に誘われて組織に入り、幹部となっている人物も少なからずいる。組織内で高機能のアプリを作るなど、ITやデジタル分野、それに法律に詳しい人物を多く抱えているのもナチュラルの特徴だ。そうした、いわば頭脳として働いて組織に貢献している者も含めて摘発しないとだめだ」

 メンバーには有名大学の現役学生や卒業生が多数在籍していることが確認され、外部からも優秀な頭脳や知識を持った人材が入り込んでいる。

「バリバリの営業で車か何かのセールスをやっていた人や、それなりの会社で社員の管理や研修を担当していた人が本社にはいます。たたき上げのスカウトは、学生からそのままやっている感じの若い奴がほとんどなんですが、そういった層とは違って、社会人を何年も経験してから来る人が組織を回している感じです」(現役メンバー)