情勢に応じて常に対応を変化
本社といってもどこかに事務所があるわけではない。新宿や池袋、高田馬場といった、山手線の駅に近いカフェや貸スペース、カラオケボックスなどを転々としながら、そこで事務的な作業をするのだという。
「本社の人から連絡が来て打ち合わせをすることになっても、だいたいはどこかのカフェで待ち合わせが多いですね。それも日によって変わるので、現場のスカウトも本社の人がどこで何をやっているかは正直分かりません。以前は、貸会議室をよく使っていたんですが、そこも予約をとるときに身分証が必要なので、アシが付くという理由でほとんど行かなくなりました。基本は、誰でも出入りができる場所を作業スペースとして使う感じです」(現役メンバー)
最近本社に入ってくる社会人経験者の中には、ITやSNS関係などで特殊なスキルを持っている者もいる。こうした人材を活用して、X(旧ツイッター)上などで反ナチュラルの発信をしているアカウントを攻撃したり、外部カウントに情報を漏らしている内部の裏切り者を炙り出したりといった活動も増えているという。
情勢に応じて常に対応を変化させ、組織の防衛と存続のためなら手間を惜しまない。あらゆることをきめ細かく行う姿勢には、呆れるというより感嘆に近い感情さえ湧いてくる。
住吉会傘下の組が事実上のケツ持ちに
ナチュラルを有名にしたのは、2020年に歌舞伎町で起きた住吉会系暴力団との抗争事件である。
組織が発足してしばらくは、表面上は暴力団との繋がりはなかったとみられているが、ナチュラルが勢力を拡大し、歌舞伎町でもその存在が知れ渡るにつれて、長年その界隈に睨みをきかせていた住吉会傘下の組が事実上のケツ持ちとして、何かあったときのトラブル対応にあたるようになっていた。ナチュラルについていたのは、住吉会の四次団体であるK総業という組である。
歌舞伎町の繁華街は、住吉会の幸平一家加藤連合会などが長年仕切ってきたことで知られているが、K総業はその加藤連合会の下部組織である。
