警察が最凶と恐れるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」。2000人ものスカウトたちが路上やSNSで女性を狙い、次々と風俗店へ送り込む。独自の「闇アプリ」で支配された組織は、年間数十億を稼ぎ出し、裏切り者には凄惨なリンチを加えるという。暴力団や警察官までも飲み込む、この地獄のような組織の実態とは――。

 ここでは、組織の実態に迫ったルポルタージュ『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(著=清水將裕・日本橋グループ*、講談社)より一部を抜粋して紹介する。(4回目に続く)

写真はイメージ ©moonmoon/イメージマート

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メンバーに対する凄惨なリンチが明るみに

 ナチュラルは、事務所や拠点を構えておらず、構成するメンバーも一部を除いてほとんど分かっていない。警察でさえ詳細を把握できていない、謎が多い組織である。確実に言えることは、約2000人のメンバーを抱える国内最大のスカウト組織であり、北海道から沖縄まで全国ほぼすべての繁華街で風俗店などに女性を紹介するルートを持っているということだ。

 その強固な組織性と、時に見せる凶暴性から、他のスカウトグループとは一線を画す存在だと言われてきた。内部統制も徹底していて、情報はいっさい外に漏らさない、いわゆる秘密結社的な要素も持ち合わせている。また過去には、メンバーに対する凄惨なリンチが明るみになったこともある。

 ナチュラルの組織内の雰囲気を知る意味からも、まずその経緯に触れておきたい。

「被害者を全裸にして…」組織のカネの一部を使い込んだメンバーを3時間近く暴行

 事件は、2023年2月に起きた。

 幹部の秘書的な仕事をする「幹部補佐」という立場にあった30代のあるメンバーが、組織のカネの一部を使い込み、また内部規則で禁止されている別メンバーから借金をしていたことが発覚する。ここから制裁という名のリンチが始まった。

 上司にあたる幹部は激怒し、このメンバーを歌舞伎町のマンションに呼び出した。そこは若いスカウトが集団で寝起きしている、寮として使われている部屋だった。

 仲間とともにここで3時間近く暴行を加え、その際フライパンや棒で何度も殴りつけ、あげく体に油をかけて火をつけようとしたという。さらにおぞましいのが、被害者を全裸にして男性器を模した性玩具(ディルド)を肛門に挿入し、その様子をスマートフォンで撮影していたのである。暴行を主導した幹部の男は「おい、気持ちいいと言え!」と怒鳴っていたという。