「おまわりさん、やばい。助けて」制服姿の警察官が声をかけたが…
「ちょっといいですか?」
夜間、空港内をパトロールし、不審な車両などが停まっていないか確認していた制服姿の警察官が声をかけてきたのだ。
「おまわりさん、やばい。助けて」
後部座席のスライドドアが開き、中にいたAがこわばった顔で降りてきた。警察官が状況を確認しようとしている間に、ワゴン車は急発進する。そして追跡する間もなく走り去った。
警視庁は、防犯カメラの映像などからワゴン車や逃げた人物の特定を進め、5ヵ月後の11月になって4人のうち3人を監禁などの疑いで逮捕した。Aについては、ほかのメンバーから「あいつは組織を離れて独立するという噂がある」「海外に行って、クスリをやっているようだ」などという密告が本社にあったという。
本人がいくら否定しても、こうした情報があれば徹底的に詰められることになる。
運営実態はいまだ未解明
先に触れたように、警察当局はナチュラルについて、「匿名・流動型犯罪グループ=通称トクリュウ」の1つと位置づけて、情報収集や上層部の摘発に向けた捜査を長期間にわたって進めている。
ただ、別の大規模なスカウト集団「アクセス」については代表や幹部が逮捕・起訴されて、組織は事実上壊滅に追い込まれたが、ナチュラルの組織運営の詳しい実態についてもほとんど明らかになっていない。
スカウト業界に詳しい人物は、こう話す。
「構成員の数や得ている収益から見ても、ナチュラルが最強のスカウト組織であることは間違いないやろうね。通常、スカウトグループの捜査は警視庁だと生活安全部の保安課などが担当するんやけど、ナチュラルについては、かつての組対、いまの暴力団対策課が中心になって捜査しとる。それだけ反社の色あいが濃いということやね。
メンバーへの締め付けは、ある意味でヤクザ以上に厳しいと言われる。捜査への対策や情報管理を、異常なまでに徹底しているところも大きな特徴やね」
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