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ギアを2と3に入れてから、ガガガっと下に

――運転シーンも作中にたくさん出てきます。拝見すると、まさにホンモノの運転士のような自然な所作だなあと……。

有村 よかった、ありがとうございます(笑)。運転で難しかったのは、手元を見ないで操作をするところ。加速するときにはハンドルのギアを2と3に入れてから、ガガガっと下に向かって動かすんです。ハンドルの感触が2と3では変わる。3のところで一度引っかかるんですよね。そこでハンドルのボタンを押すとさらに下に引くことができる。ハンドルの横にギアの数字も書いてあるのですが、プロの運転士の皆さんは一切手元を見ないでスムーズにやっているから、本当に凄いなと……。私も同じようにやらないといけないので、やっぱり難しかったですね。ベテランの運転士さんに指導していただいて、なんとかうまくやれるようになったかなと思うんですけど……。

運転士を目指す奥薗晶役を演じた ©︎2018「かぞくいろ」製作委員会

肥薩おれんじ鉄道って、同じ空間を共有している感じがいいなあ

――なるほど……、徹底してますね。ところで、作中で晶がおれんじ鉄道を「電車」と呼んで「気動車」と訂正される場面があります。有村さんは気動車という存在について……。

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有村 鉄道といえば電車だと思っていましたから。電車はみんな電車、みたいな(笑)。だから電車と気動車の違いというのももちろんわかりませんでした。実際に気動車という存在を意識して乗ってみても、乗り心地は正直私にはわからなくて……。でも、きっとエンジンの音とか違うんでしょうし、マニアックなところに注目されている方だとワクワクするようなシーンもあるんじゃないかなと思います。

 

――ええ、気動車にまた乗りたいという気持ちになりました。

有村 あと、肥薩おれんじ鉄道って1両とか2両とか、本当に小さい編成で動いているんですよね。小さいからこそ、運転士さんの目がお客さんに行き届いている。ひとつの車両で同じ空間を共有している感じがすごくするんです。それがいいなあと、乗ってみて、そして演じてみて感じましたね。