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手術からの復活 愛される選手会長・岡島豪郎選手の魅力は“思いやり”

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/08/29
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「思いやり」と「心意気」が感じられたエピソード

 個人的に岡島選手の思い出といえば、忘れもしない2016年11月。東北のファンの皆さんに感謝の気持ちと1年間のシーズンを報告する「シーズン報告会」でMCさせてもらった時の話である。

 シーズン報告会に参加していた今江年晶選手の呼びかけで、「職員の皆さんも、このあと一緒にお食事にどうですか」と粋な計らいで、福島・郡山市にある美味しい焼肉屋さんに御一緒させて頂いた。

 その報告会にも参加していた岡島選手は15人ほど選手や球団職員がいた宴でドリンクを丁寧に1人ずつ聞き、率先して緊張感のある場を和ませていた。そして「おかわりの方いますか?」と、周りを見ては常に声を掛けていた。

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 今江選手の気配りと、岡島選手の心配り。チームメイトや球団職員、ファンの皆さんに岡島選手が愛される理由がある。それは「思いやり」だ。

 楽天イーグルスOB・阿部俊人さん(現在は楽天イーグルス・アカデミーコーチ)が引退される前もそうだった。

 阿部選手の引退発表前、誰もそれを知らない時に、いつものように岡島選手にラジオオンエア用にリクエスト曲を聞いた。岡島選手は理由は何も言わず、阿部選手の登場曲であるケツメイシ「仲間」をチョイスした。

 今、思えば岡島選手は1学年上の阿部選手の引退する由を知っていたのだ。仲間を思う気持ち、周囲への心配り、先輩後輩の垣根を越えてチームを引っ張る岡島豪郎選手の「心意気」。

 この「思いやり」と「心意気」こそが、岡島選手の魅力なのだと思う。そしてチームをまとめる選手会長のチカラが、ここから残りのペナントレースや短期決戦で必ず必要になってくるのではないかと自分は思っている。

 最後に質問をさせてもらった。

河内「同い年の由規選手もリハビリを乗り越えて好投していますが、印象を聞かせてください」

岡島選手「素晴らしい球を投げますね! 由規は僕よりも長い間、めちゃくちゃ厳しいリハビリを頑張ってきて、その中で毎日同じようなことができるし、同級生としても1人の選手としてもスゴイなと思って見ています」

 2人は今年30歳になる1989年生まれの同級生。1軍での勝利の喜びやヒーローになる感動を知っている2人が苦難を乗り越え、是非今シーズン1軍の舞台でバッテリーを組んで、お立ち台に上がってほしい。

 そして岡島選手はファンのみなさんに「今ある1日をムダにせずに、早く元気な姿を見せられるように日々努力して頑張りたいです」と続けて話した。

 1日も早く、1軍でマスクを被る岡島選手の姿をめちゃくちゃ楽しみにしている。

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