文春オンライン

監督辞任を意気に感じなければ“プロ”じゃない 井川慶が語るタイガースと開幕投手

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/03/25
note

先発陣のキーマンはズバリ、西勇輝投手です!

 さて、ここまで自分の話ばかりしてしまいましたけど、今年のタイガースについても書かせて頂きますね。

 僕は投手なのでやはり投手陣に注目しています。まずはクローザーのスアレスが抜けた穴をどうやって埋めるか。リリーフ陣のやりくりももちろんですが、絶対的な守護神が抜けたことは先発投手にも大きな影響を与えます。

 僕自身、JFKがいたころは「後ろに良い投手が控えている」という感覚があったので、まずはしっかりと試合を作ることを第一に考えていました。さらに言うと、「リリーフが充実しているからこそ、僕は少しでも彼らの負担を減らしたい」という意識も持っていました。

ADVERTISEMENT

 今年のタイガース先発陣も、そういう意識を持っている選手がたくさんいるはずです。開幕投手を予定していながらアクシデントで登板できなくなった青柳晃洋投手はもちろん、代役を務める藤浪晋太郎投手にも期待しています。

 ただ、ひとりだけキーマンを挙げるとしたら西勇輝投手を推したいですね。彼は僕と同様、毎年コンスタントに長いイニングを投げることができるイニングイーターです。昨年は勝ち星こそ恵まれませんでしたが、しっかりと規定投球回をクリアしています。FAで移籍してから3年間、毎年ローテを守ってイニング数をこなしている。この凄さは、もっと評価されてもいいと思います。昨年の悔しさもあるでしょうし、今年の西投手はきっと「やってくれる」はずです。

同学年の石川雅規投手、能見篤史投手への思い

 開幕戦の相手は、昨年のリーグ王者・東京ヤクルトスワローズ。シーズン終盤まで優勝を争った相手ですから、しっかりと開幕で叩いておきたいところです。

 ただ、正直なことを言うと、石川雅規投手に関しては個人的にメチャクチャ応援しているんです……(苦笑)。石川投手は僕と同学年の42歳。この年齢までプロ野球の、しかも第一線で投手を続けるなんて信じられません。左投手という共通点もありますし、個人的な付き合いはそこまでないんですけど、200勝を目指して少しでも長く現役を続けてほしいですね。

 現役のプロ野球選手では、オリックスの能見篤史投手も同学年です。コーチ兼任という難しい立場ながら今でも一軍で投げ続ける姿には、たくさんの刺激をもらっています。阪神でチームメイトとして一緒にプレーしたし、オリックスには僕も在籍していたので、よく「タイガースとオリックスの違い」なんかを話すことがあります。

 同じ在阪球団でも「ここまで違うの?」というくらい差があって、たぶんファンのみなさんは知らない話だと思うんですけど、機会があれば別のコラムでお話ししますね(笑)。

 最後に……実は僕、開幕戦での通算成績が2勝3敗と負け越しているんです。今回この“文春野球”で、図らずも6度目の開幕投手を任されることになったのですが、なんとか勝敗をタイに戻したいので、みなさん、文末のHITボタンのクリックもぜひ、宜しくお願い致します!(笑)。

 今年も1年、一緒にプロ野球を楽しみましょう!

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2022」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/52981 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

監督辞任を意気に感じなければ“プロ”じゃない 井川慶が語るタイガースと開幕投手

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!

文春野球コラム

阪神タイガースの記事一覧