新しい春が来た、希望の春だ。開幕に胸を開け、優勝目指せ。というワケで球春到来、ついに開幕。待ちに待ったシーズンが始まりました。今年のカープは一体どんな野球を「魅せて」くれるのか。楽しみで仕方ありません。
開幕前、各チームのOBによるカープの順位予想を見ると、江川卓はBクラス、川上憲伸は4位、山本昌は5位、高橋由伸は最下位、赤星憲広も最下位、高木豊も最下位、森本稀哲も最下位、鳥谷敬も最下位……ってもうええわ! 調べるのイヤになるわ! いや、ちょっと待ってください。おおっ。来た! 我らがレジェンド・前田智徳は1位予想ですよ! これは嬉しい。もちろん、カープOBなのでチームへの思い入れも含めての予想だとは思いますが、それでも嬉しいですよね。
などと書いてはいますが、実際のところ、個人的に今シーズンは若手野手の台頭。こちらに大きな期待を寄せていたりもします(もちろんそれが機能しまくっての優勝がいちばんですが)。昨シーズンのカープは主力陣の離脱などにより若手を起用せざるを得ない状況になり、もともと期待されていた坂倉や小園を始め、林、宇草、大盛など、多くの若手にチャンスが与えられ、図らずも「1軍で若手を育てるシーズン」になりました。特に林や宇草や大盛にとっては本当に貴重な体験になったと思います。
「ルーキー開幕スタメン」の座を勝ち取った末包
そんな中で迎えた今年。鈴木誠也という大黒柱が抜け、4番候補のマクブルームの来日も遅れ、スタメンは「菊池以外は白紙」とまで言われる状態に。そうこうしている内にキャンプが始まり、オープン戦が始まり、スポーツ新聞などでは「誰が開幕スタメンを勝ち取るか」が日々の話題に。ここで名乗りを上げたのがドラフト6位ルーキーの末包。春季キャンプのランチ特打では栗林からホームラン、オープン戦では12球団の新人最速弾となるホームラン。ドラフト3位の中村健人なども期待される中、一気に開幕スタメン候補に。そして開幕直前の20日、ついに佐々岡監督が「粗いところはあるが魅力ある打者。打席数を増やしながら成長してもらいたい」とライトでの開幕スタメンを明言。ドラフト制以降、球団新人では1969年の山本浩二、2006年の梵英心に次いで3人目の「ルーキー開幕スタメン」の座を勝ち取ったのです。
と書いておいて今日の開幕戦、スタメンに名を連ねていなかったらどうしようという心配も無いワケではないのですが、いずれにせよ佐々岡監督は「1軍で使いながら育てる」という決意をしたワケですから、期待せずにはいられません。ただ。ただひとつ言えるのは、一発があるという意味での期待はできるけど、守備に関してはバッティング以上に粗い。パワー系のバッターでなければ、おそらく開幕スタメンというような評価は受けなかったでしょう。
バッティングの粗さという面で言うなら、林晃汰もそう。昨シーズン、それこそ末包のような大砲として期待されて10本塁打。将来性を垣間見せてくれましたが、とにかくインコースが弱いという致命的な欠点が浮き彫りになりました。そのインコースを克服しない限り、安定した成績、それ以前にスタメンの座を確たるものにするのは難しいと思います。ただ、弱点がハッキリしているのだから、あとは克服あるのみ。その林と同じように、末包もまた、今シーズンの1軍出場で様々な体験をし、弱点を浮き彫りにすればいいのかな。まだまだこれからの選手なので、そんな風に思います。