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銀次は「いなきゃいけない存在」

――光尊さんからみた銀次選手はどんな選手に映っていますか?

「とにかく責任感が強い選手です。最近はスターティングラインナップに顔を揃えるようになってきて、やっぱり思うのはいなきゃいけない存在ということですね。序盤、出番がない時でも『絶対出番が来る、チャンスが来る』と思って準備していたとおもいます」

 そしてこう続けた。

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「銀次はどんなに周りのメンバーが変わっても、ずっとゲームには出ていてほしいです。それだけは伝えてほしいです」

岩手県営野球場で試合後の銀次選手 ©️RakutenEagles

 光尊さんの声から元チームメイトへ贈るエールが十分すぎるほど感じられた。銀次選手に1年でも長く一軍でプレーしてほしい思い、スタメンで出続けてほしい思いがヒシヒシ伝わってきた。

――今だからいえる楽天イーグルス時代のエピソードはありますか?

「チャリンコで球場まで通っていました。試合が終わってファンのみなさんの間をチャリンコで駆け抜けてました」

 車を仙台に持っていってなかったという光尊さんは楽天生命パーク宮城から自転車で家まで走って帰っていたと教えてくれた。

 そして、あらためて好きなおにぎりの具をきくと「え、まだそれやってるんですか(笑)」と即ツッコミ。光尊さんが話すとなんのギャップが生じているかは謎だが何故か笑ってしまう。

――最後に楽天イーグルスファンのみなさんに近況報告をふくめて光尊さんからメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?

「(楽天)イーグルスで現役を終えて、スクールのコーチをはなれて4年経ちますが、今も野球にしがみついてやっています。去年から石川ミリオンスターズの野手コーチ、今年は監督として重責を担っています。主戦場は違えど野球は野球なので、また思い出してもらえた時は心の奥底でいいので応援してほしいなと思います」

 楽天イーグルスで現役を終え、オリックスのコーチを経て石川ミリオンスターズの監督を務める光尊さんに監督として伝えたいことについては「選手たちはみんなNPBを目指してやっているので、NPBの華やかな裏側にはこういう厳しい練習があるんだよ、ということを1人1人にうまく伝えていきたいですね」と語った。

 1人1人と向き合って夢を追いかける選手たちに伝えている光尊さんの姿がすぐにイメージできた。ラジオ中継のときも分からないところを聞くと、わかりやすく、かみ砕いて優しく丁寧に野球を教えてくれたからだ。

 そして光尊さんは現在も楽天イーグルスの試合をダイジェストなどで見て、後輩選手の頑張っている姿をチェックされているそうだ。電話を切った後、すごく元気をもらえた自分がいた。

 楽天イーグルスには歴史があって未来がある。東北・秋田出身の光尊さんからいただいた東北パワーでこれからも楽天イーグルスの歴史を知りながら、目の前の試合実況に魂を燃やしたい。

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